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zoom RSS 映画評「母よ、」

<<   作成日時 : 2017/05/04 08:27   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年イタリア映画 監督ナンニ・モレッティ
ネタバレあり

もう30年くらいの付き合いになると思うが、「息子の部屋」以外ナンニ・モレッティの作品は余りピンと来ない。今回はどうだろうか。

実績のある社会派女性監督マルゲリータ・ブイが、イタリア系の米国俳優ジョン・タートゥーロを招いて労働闘争の作品を作ろうとしているが、言語上の問題もあってスムーズに製作が進まない。合間には、入院中の老母ジュリア・ラッツァリーニを、兄モレッティと協力し合って、看病している。
 看病する苦痛が現場での態度に現れて周囲を驚かせたり、米国人俳優に思わずその心境を吐露するなどするうちに、自分にはなかなかうまく操縦できない反抗期の娘ベアトリーチェ・マンチーニをもなびかせ、ラテン語教師時代の教え子たちから母親のように親しまれている老母の人間としての大きさに気づいていく。

お話の着想は前作「ローマ法王の休日」に似ていると思う。かの作品では、法王選出の脇役と演劇における脇役をダブらせるというところに狙いがあった。本作では、彼女にとって母親の看病が重要であるように、米国人俳優にいかに「くだらん話、くだらん映画」と言われようと映画を作ることが重要で、それが一体化するように進行するのである。
 が、どちらの作品でも、その互いに絡み合う関係を強調しないために「素晴らしい映画を観たなあ」という印象になりにくい。それは僕がジュゼッペ・トルナトーレが作るようなテクニカルな作品が好みであるからに過ぎず、モレッティの作風のようにそこはかとなく匂わすだけの作り方のほうが良いという人もいるだろう。趣味の問題についてはどうしようもない。

モレッティがどう思って作ったか知らないが、マルゲリータ・ブイが校長役で出演した「ローマの教室で〜我らの佳き日々〜」における老教師への尊敬の念と本作の元ラテン語教師(母親)に対する生徒たちの心情が不思議な程に共鳴し合う。寧ろそれに感動させられましたなあ。

何年か前の調査を信用すれば、日本人は親と教師への尊敬の念が海外に比べて少なすぎる。「友達関係」であっては本当はいけないのではないか?

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