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zoom RSS 映画評「マジカル・ガール」

<<   作成日時 : 2017/05/10 09:19   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年スペイン=フランス合作映画 監督カルトス・ベルムト
ネタバレあり

予測できないサスペンスという紹介通りの内容。しかし、一部で言われる意味不明の作品ではない。時系列の関係で解り難い部分はあるが、実は一言でまとめられるシンプルなお話である。

12歳の白血病の娘アリシア(ルシア・ポリャン)の最後の夢を叶えてあげようと、ネットで売られている高い買い物をする為に、失業中の元文学教師の父親ルイス(ルイス・ベルメホ)が、偶然縁ができ懇ろになった精神科医の妻で自ら精神病を患うバルバラ(バルバラ・レニー)を肉体関係を理由に脅迫し大金をせしめる。
 彼女はそれを捻出する為に「昼顔」(1967年)のヒロインのような真似事をする(詳細は明かされないが、最終的に大怪我をするのがそのせいであることは間違いない)。
 彼女はルイスに全ての責任を帰し、彼女の少女時代から守護天使を気取る(多分気取らざるを得ない)元恩師ダミアン(ホセ・サクリスタン)に連絡を取る。彼女の為に服役していた刑務所から出てきたばかりのダミアンはルイスを射殺する。目撃した店員も殺す。彼はルイスが証拠と言っていた携帯電話を掠めに事前に確認してあった家に入り、目に入ったアリシアをも射殺する。

カフカ的とは違う意味での不条理なサスペンスで、確かに運命の糸が登場人物を結びつけ綾をなしていく様子が相当面白く観られる。しかし、後味が悪すぎて良い点を進呈する気になれぬ。道徳などを持ち出すつもりはない。父親が偶然できたチャンスを悪用して買ってあげたプレゼントにはしゃぐアリシアちゃんまで殺すことはなかろうに・・・と純粋に人情的にこんなお話を認めたくないだけである。少女は放っておいても死ぬだけかもしれないが、人の命はそんなものではない。作り物とは言え、気分良からず。

脚本・監督はスペインのカルロス・ベルムト。才能はあるようだから、次回はもう少し後味の良いものを頼みます。

因みに、アリシアちゃんは大の日本アニメ・ファンで、長山洋子のアイドル時代の歌「春はSA-RA SA-RA」に乗って病気にもめげず健気に踊る。それだけに結末が余計気に入らない。

スペイン映画、元気あるデス。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あの娘、泣きも騒ぎもしませんでしたよね。何もかも見通したような? 覚悟したような? もしかしたら、命中していないかも!? とも後で思いました。そう考える余地は少しはあるのかなあ、と。
ボー
2017/05/11 19:21
ボーさん、こんにちは。

この作品の身分不相応の欲をかいてはいけないとでも言わんばかりの主題(?)とドラマツルギーを考えると、少女は「死ななければならない」のですが、そのテーマを崩してでも、違う幕切れにしてほしかったなあ、と思いましたね。

>あの娘
何を考えていたのでしょうかねえ。
病気でそう遠くない未来に訪れる死を覚悟していたので、動揺しなかったのかもしれませんね。

>命中していない
そうであってほしいですねえ。
僕が考えた幕切れでは、元教師が発砲しようとするが、店で撃ちすぎていて弾丸(たま)切れ、そのまま去っていく。ちとアメリカ的になりますが、これなら後味は少し改善されます。撃とうとした時点で良くないのですが。
オカピー
2017/05/11 22:26

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