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zoom RSS 映画評「64-ロクヨン-後編」

<<   作成日時 : 2017/04/05 09:30   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・瀬々敬久
ネタバレあり

いよいよ後編。前編の方が面白いという人が多いが、僕は後編を買う。
 前編は、記者クラブと群馬県警との確執が大仰に、しかも、長尺で描かれすぎて、胃が持たれた。対して、この後編は、昭和64年に起きた【ロクヨン事件】を模倣した事件が起き、それを追跡するという捜査ものらしい内容が核を成し、なかなか面白いのである。

前編から続く記者クラブの扱いの大仰さや、終盤の瀬々敬久監督らしい大袈裟な展開は感心しないが、組織の対立の中に組織VS個人という問題をにじませた前編から、組織VS個人に中心テーマが移行し、最終的には個人の問題――即ち、娘を思う親の心であり、執念――に収斂していく、という作品の狙いは頗る良い。

一応ミステリーでもあるので、詳細は伏せるが、父親の執念の物凄さを絡めたお話は捨てがたい面白さがあると言って良く、前作より退屈という意見には異論を呈したくなる。
 特に、特別仕様の捜査車の中で模倣事件の被害者・緒形直人に同情して感情的になった広報官・佐藤浩市に対し、捜査一課長・三浦友和が「俺たちはロクヨン事件の捜査をしているんだ」と発した一喝にしびれた。彼らは決して警察を辞めた吉岡秀隆のメモを無視してはいなかったのだ。三浦課長は組織人間のようでいて個人の尊厳をしっかり持っていた。僕にとって後編のハイライトはここである。

そして、大いに賑わした後、娘(子)に対する親心に収斂する幕切れも悪くない。娘探しに専念することにした佐藤氏がどんど焼きに妻・夏川結衣と出かけた留守宅に電話がかかってくる。恐らく娘からであろう。
 この後編は電話に始まり、電話に終わる。その呼応がなかなか洒落ているし、【ロクヨン事件】の時は固定電話だったのが14年後の模倣事件では携帯電話に変わり、この辺りの時代の変化や犯行手法の変化も面白く観られる。

といった次第で、本作単独では☆☆☆★でも良い感じがするが、前編と併せた総合評価で前編と同じ☆☆☆とする。

それで思い出すのがわが高校の通信簿の評価スタイル。3学期は年間を通しての総合評価だった。1学期でブービー賞だった生物で、3学期にクラス2位になりながら10段階の4しか貰えなかったという苦い思い出がある。

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