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zoom RSS 映画評「クーパー家の晩餐会」

<<   作成日時 : 2017/04/20 08:39   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督ジェシー・ネルスン
ネタバレあり

クリスマスに姉妹が集まるという作品に「ブッシュ・ド・ノエル」というフランス映画の佳作があるが、こちらはクリスマス(イブ)に熟年夫婦の家に一族が集まるというアメリカ映画。

一族はイブの晩餐会に毎年集まる習慣があり、ホストは三人の孫のいるジョン・グッドマンとダイアン・キートンの熟年夫婦である。しかし、この二人、細君が夫君の長年の夢であるアフリカ旅行に出るのを断ったことから離婚の危機に陥る。
 ダイアンの父親アラン・アーキンは心優しき老人で、内向的なウェイトレスのアマンダ・セイフライドを慰めるうちに結局晩餐会に連れてきてしまう。
 自分を出来損ないと思っている娘オリヴィア・ワイルドは、両親を安心させようと、途上で知り合った軍人ジェイク・レイシーを無理に恋人に仕立て連れて来る。
 離婚したばかりの息子エド・ヘルムズは失業をしたことを黙っている。離婚してもさすがはアメリカ、前妻もちゃんとやって来て、最後にちょっとしたプレゼントをする。
 姉ダイアンにコンプレックスを持っている妹マリサ・トメイは嫌いな姉に贈るプレゼント代をケチりたくてブローチを口の中に入れて万引きするが、ばれてしまって初犯なのにお縄に(手錠にですな)。しかし、精神科医を自称して(実は人生相談係)警官と話すうちに解放して貰うことになる。
 こうしたメンバーにヘルムズの子供3にグッドマンのボケ始めた叔母さんを加えたメンバーが些か妙なムードで晩餐会を始めて暫くしてアーキンが倒れ、皆で病院へ。病院でも険悪なムードは続くが、アーキンの症状が軽いと判明した上に、一番年長の孫ができたばかりの恋人といちゃいちゃし始めると皆の頑なな心が氷解していく。

トルストイの「アンナ・カレーニナ」を引用するまでもなく、どんな家にもそれぞれの問題はあるわけで、「ブッシュ・ド・ノエル」の三姉妹も仲が悪かった。それがちょっとしたことで終息するのは神様のおかげなのかもしれないが、この映画などを観ていると人間は気の持ちようなのだという気がしてくる。

作劇的には唐突に全てが解決してしまう印象があって今一つであるものの、そうならないとコメディーとも言えなくなる。観客を元気づけるのがコメディー映画の使命の一つであるとするならば、多少荒い展開でも楽しんだ方がお得だろう。

この一家の人々が人間的になっていないとするコメントを幾つか目にしたが、本作の台詞を借りれば「人間は、完全に不完全」なのだ。確かに万引きは良くないし、病院で他人(ひと)に大々的に迷惑をかけるのも感心できない。しかし、それは映画的表現の一つで、一々真に受ける必要はないであろう。

万引きが問題なのは盗むこと自体ではない。盗むことで経営に問題が出て、そこで働く人に影響が出ることだ。学校の虐めなど犯罪にはならないが、人を傷つけるという意味では万引き以上に違いない。他人に迷惑を全くかけたことがないと言える人など果たしているだろうか?

かつて映画鑑賞という趣味は他人に迷惑をかけることはないと思っていた。しかし、母親に「買い物に連れて行っておくれ」と頼まれた時映画をTVで見る都合で「少し後で良いかい?」と返事をすることがあった。母が死んだ直後、これも「迷惑をかける」行為だったのだと思い至った。

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クーパー家の晩餐会★★★
クーパー家の人々が年に一度顔を揃えるクリスマス・ディナーを舞台に、それぞれに問題を抱えながらもそれをひた隠して晩餐会を楽しくやり過ごそうとする中で巻き起こる騒動を、ダイアン・キートン、ジョン・グッドマン、アラン・アーキン、マリサ・トメイはじめ豪華オール... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2017/04/20 23:12

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