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zoom RSS 映画評「ちはやふる−下の句−」

<<   作成日時 : 2017/04/16 09:13   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・小泉徳宏
ネタバレあり

はい、昨日アップした作品の後編です。

都大会で優勝した綾瀬千早(広瀬すず)らの5人組がいよいよ競技かるた全国大会に出場することになる。
 その前にかるたを止めると言い出した小学生時代の仲間・綿谷新(真剣佑)を説得しに、千早と実は彼女の為に現在の高校に進学しかるた部創設に尽力した部長・真島太一(野村周平)が彼のいる福井県の実家を訪れる。前作最後、新君が千早からの電話を受ける部屋の閑散とした雰囲気を見れば十分解るように、新君は目標としてきたかるた名人の祖父(津嘉山正種)が死んだショックの為に止めると言い出したのだ。

千早が恋愛的な感情で新を復帰させたいと思い、「仲間がいることで個人が勝てる」ことを彼に対し証明すべく現クイーン若宮詩暢(松岡美憂)に挑もうとし、その為に却って個人プレイに走っていることに気づいた太一は冷たく突き放す。実はかく言う太一もA級を目指すのに躍起となっている。その心(目的)は、千早を振り向かせるためだ。

という前半は、かるたへの想いが前提にあるとは言え、三角関係に重心が下がりすぎて些か低調である。「上の句」を観た時に「そうならねば良いが」と思ったことがそのまま現実化してがっかりしていると、後半になって挽回する。“団体がいかに個人に影響を及ぼすか”というテーマがうまく捌かれているからである。

同じ二部作の「64−ロクヨン−」が組織VS個人の対立関係を描いていたのに対し、団体は個人とバッティングしないものなのであるということが分る。個人と対立するようになった時団体は個人の思いだけではどうにもならない事実上の組織と言わざるを得なくなる。団体は個人主義の集合体であるが、組織は全体主義的である(但し、これは、社会学的な定義にあらず)。

彼ら全員が競技かるたを楽しむ心境になっていく成長記の爽快さに加え、それを土台にこういうことまで考えさせるのだから、この映画は一見の価値ありと言って良いと思う次第。
 僕にとって原作などどうでも良いことながら、この二部作が原作に拠る部分が多いのであるならば、原作コミックがベストセラーである理由もよく解るというものだ。

クイーンの詩暢(しのぶ)の名は、百人一首の「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」から。中学を卒業する時に担任の国語教師がクラス全員に百人一首から歌を選んでくれた時に、僕が貰ったのがこの歌。僕は二年生の時からずっと秘めた初恋に煩悶していたのだが、先生は知っていたのだろうか?

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