プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「嫌な女」

<<   作成日時 : 2017/04/13 09:07   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 0

☆☆(4点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・黒木瞳
ネタバレあり

桂望実の同名小説をドラマ化したTVシリーズでヒロインを演じた黒木瞳が、出演せずに監督に専念して映画化したドラマ映画。

法律事務所に勤める徹子(吉田羊)は優秀だが、他人との親密な接触を避ける人生を送り、恐らくその為であろう、離婚して現在は一人暮らしである。
 そんな折、子供時代の苦い記憶しかない元気いっぱいの従姉・夏子(木村佳乃)が現れ、一方的に婚約破棄した結果慰謝料を請求されて困っていると泣きつかれる。実際には詐欺師的な従姉が悪いのだが、仕事と割り切ってこなす。続いて、ゴッホの贋作を売りつけた相手から返金を求められている夏子の尻拭いをすることになり、これに関しては彼女がツバメにしてきた若い男(古川雄大)も悪党で、終盤には、老人(寺田農)に尽くす夏子のために積極的に一肌脱ぐ気になる。
 かくして、詐欺師気質であるが相手の心を掴む術に長けた従姉に影響され、徹子は他人に心を開くようになる。

「何を言いたいか解らない」と言う人がいたが、何ということはない、自分が傷つきたくなくて他人との距離を取っているため他人からは冷たく思われることの多いヒロインの成長物語である。まあ子供時代にその原因を作ったのが夏子である可能性が高いから、夏子が徹子の人間観を変えても“行って来い”という気がしないでもないが。

その過程をコミカルに綴っているわけだが、とは言っても神妙な空気が全編に漂っているのだから、微笑をもたらすようなコミカルさなら作品を豊潤にするかもしれないものの、夏子のツバメの結婚をめちゃくちゃにする一幕は余りにドタバタ調で、結婚だけでなく作品の性格を破綻させているので、全くダメである。男をぎゃふんと言わせるにしてももう少し現実的な手があっただろう。

この作劇上の大きな瑕疵が出るまでは、ショットの弛緩具合や場面の繋ぎの呼吸の悪さという純粋に映画技術上の問題に尽きる作品として批評を書くつもりでいたのだが、それを忘れさせるくらいまずい脚本であった。

初監督と言っても演技指導プラスα程度だと思うが、殆ど関わっていないであろう撮影や編集が、監督に釣られるようにこうもたどたどしくなるのが不思議。その意味で、田中絹代の監督作は是非観てみたいなあ。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
嫌な女 ★★★
女優・黒木瞳の映画監督デビュー作で、黒木主演でNHKドラマ化もされた桂望実の同名小説を映画化。友達のいない真面目一徹な弁護士・石田徹子と、派手好きで社交的な天才詐欺師・小谷夏子という対照的な2人の女性の人生を、これが映画初主演となる吉田羊と木村佳乃の共演で描く。 あらすじ:司法試験にストレートで合格して29歳で結婚し、順風満帆に見える弁護士の石田徹子(吉田羊)だったが、仕事も結婚生活も上手くゆかず、心に空白を抱えていた。そんな徹子のもとにある日、同い年の従妹で、婚約破棄で慰謝料を請求されたという... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2017/04/13 14:48

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
映画評「嫌な女」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる