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zoom RSS 映画評「海難1890」

<<   作成日時 : 2017/02/22 08:49   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年日本=トルコ合作映画 監督・田中光敏
ネタバレあり

トルコがイラン=イラク戦争の勃発によりイランのテヘランに取り残されそうになった日本人に救出機を送った背景には、その95年前に和歌山の漁民が海難に遭った船から投げ出されたトルコ軍人を救った事件があるということをTVで知った。今世紀初めくらい、TBS「世界ふしぎ発見」ではなかったろうか?

1890年明治天皇への謁見の後帰国に向ったトルコの軍人を乗せた軍艦エルトゥールル号が台風で遭難する。和歌山県紀伊大島樫野の漁民たちが救難に奔走、69名を救命する。医者として任に当たったのは村人から尊敬を集める外地出身の田村(内野聖陽)で、救難作業中の事故で許婚(いいなずけ)を失って言葉を発することが出来なくなった妙齢美人ハル(忽那汐里)も懸命に働く。
 トルコのムスタファ大尉(ケナン・エジェ)は遺留品が村人に奪われた為に怒るが、実は彼らが遺留品を遺族の為に修復していると知る。69名は日本海軍により無事トルコに送られる。

これが言わば第一部のお話で、冒頭で触れたテヘラン救出劇が第二部。
 イラクのフセイン大統領がテヘランを飛び立つ飛行機を無条件に撃ち落とすことにしたタイム・リミットまで僅かに迫り、日本国大使・野村(永島敏行)は大弱り。日本航空は危ないから(実際には違う理由らしい)と断り、自衛隊は法律上の制約で救出機を飛ばせない。爆撃時に援助してくれたトルコ大使館員ムラト(ケナン・エジェ二役)を思い出した女性教師・春海(忽那二役)は一か八かトルコに頼んでみたらどうかと大使に提案する。
 トルコはこれを聞き入れて救出機を二機に増やす。しかし、飛行場にはトルコ人が大勢いる。「ダメだ」と諦めかけた時ムラトが95年前の出来事を思い出しいてほしいと人々に懇願する。人々は日本人に譲ることを決意する。

事件の経緯はほぼ事実通りのようだが、細かな部分が映画的に映えるように変えてあるのは言うまでもない。例えば、日本人が救出されるのは大使館員の発言とそれに応えた一般市民のように描かれているが、実際はトルコ政府がそうなるよう英断したのにちがいない。日本の救出劇が主に漁民により行われたことに対してシンメトリー化する為の変更だろう。
 いずれにしても日本人は彼らに感謝しなければならない。僕も見ながら彼らに頭を下げました。

どちらの事件も日本国が余り機能していないのは情けない。尤も、この事件を受けて自衛隊の活動できる範囲が広がったと聞く。

映画の作り方としては素朴で、TVの再現ドラマの腰を強くした程度の作り方だが、本編のようにお話自体に高い感動性がある場合は余り奇を衒わないほうが無難と言うべし。

先日の稲田防衛大臣の答弁を聞いて、自衛隊の諸君が気の毒になった。現場で危険と対峙しない人は良い気なものよ。

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海難1890
公式サイト。日本=トルコ。田中光敏監督。内野聖陽、忽那汐里、ケナン・エジェ、夏川結衣、小澤征悦、笹野高史、竹中直人、かたせ梨乃、小林綾子、蛍雪次朗。エルトゥールル号遭 ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2017/02/22 13:44
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