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zoom RSS 映画評「ヘイトフル・エイト」

<<   作成日時 : 2017/02/19 09:30   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督クエンティン・タランティーノ
ネタバレあり

クエンティン・タランティーノの第8作なので、こういう「荒野の七人」のパロディー的題名になったのかもしれませんな。但し、8人より多くの人物が絡むので、題名の8人が誰を指すのか解らない。

1860年代のワイオミング州。賞金稼ぎの元北軍将校の黒人サミュエル・L・ジャクスンが3人のお尋ね者の遺体を抱えて立ち往生、そこへ女悪党ジェニファー・ジェイスン・リーを連行する賞金稼ぎカート・ラッセルの乗る駅馬車が通りかかる。彼を加えて道を行くと、今度は彼らが辿り着く街の新保安官になると自称するごろつきウォルトン・ゴギンズと遭遇、嫌々加えて半ば呉越同舟の駅馬車型ドラマを展開するが、強い吹雪が襲ってきた為、立場(たてば)的な機能をしている“洋品店”で一日ほど過ごすことにする。
 御者を加えたこの5人が、姿の見えない店主夫婦に代わって留守番をしているというメキシコ人デミアン・ビチル、死刑執行人を名乗るティム・ロス、怪しい風情のマイケル・マドセン、差別主義者の元南軍ブルース・ダーンの4人に迎えられる。
 元南軍将軍と元北軍将校がキナ臭い口論を繰り返して殺傷事件に発展した後、何者かに毒を入れられたコーヒーを飲んだ二人が死亡、地下に隠れていた何者かが襲撃を始め、互いに撃ち合う展開になる。
 この後映画はメタフィクション的になって章の題名の由来まで説明する洒落っ気もあり、その章で5人が到着するまでこの店で起きた出来事が描写され、ジャクスンを主たる探偵役にしたミステリー趣味の種明かしがされる。

タランティーノが好む昔の映画が色々と引用されている風情が漂う。自身の「レザボア・ドッグス」を思い起こさせる外、アガサ・クリスティー趣味もあるのではないか。クローズド・サークルで展開される殺し合いは「そして誰もいなくなった」のフォーマットに近い。一応ミステリーに分類できる内容なので、この辺りの詳細は伏せることにしましょう。

章を分けることでだらだらする印象の醸成を回避しているものの、旧作同様余り面白く感じられない駄弁にげんなりさせられる。会話劇なら会話が多くても良いが、タランティーノの会話劇的ジャンル映画というスタイルに僕はどうも馴染めないのである。
 昔のハードボイルド映画にもそういう傾向がなきにしもあらずだが、ドラマ展開の潤滑油のような働きをしているのが伺えた。本作の場合、お話の進行に関わっている印象が以前より増したとは言え、絶対量が多すぎる。その絶対量故に彼の映画は大体150分前後の長尺となってしまう。世評が上がる一方の「パルプ・フィクション」をなかなか再鑑賞する気になれないのはその長さによる。

人種差別が前面に出て来る作品だが、タランティーノご本人の立場は全く逆であろう。彼にはトランプを揶揄する映画を作ってもらいたい。

反面教師にもならないヒトラー「わが闘争」を読んだ。奴は、日本人を持ち上げているようで、本音として「アーリア人種がいなければ日本の文化は枯渇する」と言う。ヒトラーを好む日本の差別主義者はこれをどう思う?

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