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zoom RSS 映画評「ヴィクトリア」

<<   作成日時 : 2017/02/16 08:57   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年ドイツ映画 監督セバスチャン・シッパー
ネタバレあり

スペインの音楽学校で挫折し、ベルリンへやって来てカフェの管理をしている妙齢美人ヴィクトリア(ライア・コスタ)が、未明の4時ごろ出かけたクラブで知り合ったゾンネ(フレデリック・ラウ)ら4人の青年とビルの屋上で誕生パーティーをするなどつるむ。その中でも親しみを覚えたゾンネを自分の勤めるカフェに入れ、ピアノを腕前を披露する。
 一旦カフェを去った彼らが再び現れ、そのうちの一人が悪酔いして待ち受けている仕事に支障を生じたらしい。残る3人はヴィクトリアに車の運転を頼み、商談場所へ出かける。実はギャングの銀行強盗の下請けと判明、幾つか不具合に遭遇したものの見事に仕事に成功するが、入ったクラブから追い出された後、警察に発見されて逃走する羽目になる。

ジャンル映画であれば、さほど珍しくない素材という印象であるが、本作はジャンル映画の体裁では作られていないので、チンピラが一見(いちげん)の女性を銀行強盗に巻き込む不道徳ぶりや、不良にのこのこ付いていく若い女性の心理が、特に平和な日本に住んでいると理解しにくい。特に後者について疑問が多い。ただ、新天地で冒険を求める女性が興味本位で付き合ってしまったのだろうなあという辺りまでは何とか理解できる。日本女性なら拳銃を見た段階でビックリして逃げ出すだろうが、欧州のチンピラに慣れているとそうでもないのかもしれない。いずれにしても、ヒロインが逃げ出したらお話が成立しないので、この件についてはこの程度にしておきましょう。

本作をジャンル映画でないとする根拠は、全編1カット結果的にリアルタイムで進行するという大胆な作りである。似た趣向の近作に「バードマン」があるが、あちらは見た目3カットくらいあり、一番長い真ん中のワン・カットも色々な細工をして複数のカットを一つに見せかけたことが伺えた。その点本作はそういう細工が入る余地が殆どなく本当にビデオを回し続けて撮ったのか、と思わせる。人間が殆ど出て来ない世界初のワン・カット映画「エルミタージュ幻影」と違ってかなり大勢の人数が入り乱れる内容だから、難度はずっと高い。相当高度なあのピアノ演奏も実演かもしれない。

ただ、スタジオ撮影ではないとは言え(からこそ?)、俳優以上に小道具係などスタッフの仕事はかなり難しかったはずである。ご苦労様。が、それ自体を以って高い評価をするのは良くないであろう。演出が内容を盛り立て盛り上げ感動を増幅して初めて映画は評価されるべきなので、重苦しさしか残らないこの内容では僕はそう感服できない。

監督はドイツの若手セバスチャン・シッパー。色々と実験的な作品を撮っているらしい。名前を憶えている価値はありそうだ。

ヴィクトリアで思い出すのは、レコードも売っていたスキー用品店のこと。古本を求めるついでに神保町店へよくレコードを買いに行った。

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