プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「家族会議」

<<   作成日時 : 2017/02/01 08:39   >>

ナイス ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 0

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1936年日本映画 監督・島津保次郎
ネタバレあり

島津保次郎の作品がYouTubeで幾つか観られるので、代表的なところから鑑賞していくことにした。1月頭の「隣の八重ちゃん」に続いては、これもまた代表作と見なされる「家族会議」。横光利一の小説の映画化で、題名とは裏腹なかなりシビアなメロドラマだが、短縮版との由。優に10分以上のカットがあるのではないかと思われ、特に後半拙速に進む印象があるものの、これしか残っていないのだから仕方がない。

東京。父親の商社を引き継いだ青年実業家の高之(佐分利信)が、見合いで清子(桑野通子)を紹介される。青年には、大阪に恋人がいる。仕手を生業とする仁礼(志賀靖郎)の娘・泰子(及川道子)だが、仁礼が父を自殺に追い込んだ人物であるため正常な交際ができかねている。彼女の友人・忍(高杉早苗)は二人を何とか結び付けたいと思って尻を叩く。日本版「エマ」みたいな役目でござる

彼が態度をはっきりさせないうちに彼を最初の経営上の窮地から救った清子が彼の出先の大阪にまで現れて結婚を迫り、彼は断る。
 彼女はショックからコップを鷲掴みにして割って怪我をするのだが、この場面で島津監督は俯瞰を取り入れ、事前にコップだけを捉え、主観ショットを織り込むなど、細かくカットを割って緊張感を醸成している。カットで映画を観る人にとっては本作最大の見せ場である。

傷心の清子は、泰子を思慕する仁礼の秘書・錬太郎(高田浩吉)と結託し、高之をぎゃふんと言わせようと企む。その通りに事は運んで彼の会社は倒産してしまう。しかし、富豪令嬢である忍が会社の買取を申し出ると、仁礼が殺され後を継いだ錬太郎も泰子との恋を諦めて清子と結婚すると言ってくる。かくして障壁のなくなった高之は晴れて泰子との将来に漕ぎ出すことになる。

この終盤は形式としては鮮やかな収斂ぶりを見せるが、ここにカットがあるようで拙速な印象が否めない。少し調べてみたら、清子を高之に紹介した令嬢・春子(立花泰子)が父親を自殺未遂に追い込んだ仁礼を殺したらしく、この場面が全くないために、終盤にかけての収斂具合に調子が良すぎる印象が生まれてしまうのである。
 が、それに関係する描写は残っている。泰子の乗る画面左から右へ向かう列車(東京行き)と富士山の前ですれ違う列車(大阪行き)に乗っているのが(殺しに向かう)春子なのである。殺害場面がない為にこの交錯が実力ほど鮮やかな印象を産まないのも勿体ない。

この不完全版にはやや多すぎる☆★ながら、完全版ならもっと★を進呈できたと思われるので、中間を取って上記採点とした。

専ら心理描写だけに使われる背景音楽がひどい。いかにも大げさすぎる。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
ナイス

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「家族会議」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる