プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「真夜中のピアニスト」

<<   作成日時 : 2017/01/30 08:46   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

☆☆☆★(7点/10点満点中)
2005年フランス映画 監督ジャック・オーディヤール
ネタバレあり

1970年頃までは圧倒的な素材提供国だったアメリカが80年代に入って様変わり、日本やフランスの映画をリメイクしたり、換骨奪胎して作るようになり現在に至るが、そういう状態になって久しい2005年に珍しくもアメリカ映画「マッド・フィンガーズ」(1978年)をフランス映画界がリメイクしたのが本作。
 監督は寡作作家ジャック・オーディヤール。10年以上前の作品ながら、今回初鑑賞であります。

父親ニエル・アエルストリュプの後を継いで住民たちを追い出す暴力的不動産ブローカー即ち日本でも流行った地上げ屋をしているロマン・デュリスは、ある時ピアニストだった亡き母親のマネージャーと再会して少年時代勤しんでいたピアノ熱が蘇り、オーディション合格を目指す。
 つまり、父親から母親への転向である。とは言っても、ヤクザ商売のしがらみもあり、フランス語の喋れない才能あふれる中国人ピアニストのリン・ダン・ファンのレッスンを受けながら、父親絡みの商売の面倒を見なければならない。レッスンの成果あってきちんと弾けるようになった頃、父親が縁のあるロシアン・マフィアに殺される。かかる動揺する事件の後メンタルの弱い彼はオーディションで曲をまともに弾けず、会場を去る。
 2年後彼は一流のピアニストになったリンのマネージャーになっていて、偶然にも会場に現れたロシアン・マフィアのボスを発見、男を仕留めた後、座席に戻る。

父親=お金=現実VS母親=精神=夢の狭間で煩悶する若者の姿を観照的タッチで綴った内容である。結局彼の夢は夢で終わるが、地上げ屋よりはぐっと夢に近い音楽家のマネージャーに転身するという妥協的結末に、フランス流の現実的な夢の捉え方があり、なかなか興味深い。凡作だったと記憶する「マッド・フィンガーズ」よりぐっときちんとしたドラマに仕立てられていて、共同で脚本も書いているオーディヤールの才覚を強く感じる。
 犯罪映画としての部分では、リュック・ベッソン登場以前のフレンチ・ノワールの良い意味での鈍重さが残っているのが良い。

ロマン・デュリスの繊細な演技も好調。

一応観たかった作品なのだ。期待通りの出来栄えだったね。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「真夜中のピアニスト」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる