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zoom RSS 映画評「御用牙」

<<   作成日時 : 2016/12/15 08:51   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1972年日本映画 監督・三隅研次
ネタバレあり

観るつもりはなかったが、ご贔屓監督三隅研次がメガフォンを撮っていると知って、一転観ることにした。小池一雄作の劇画を原作とする時代劇である。

1971年に大映が経営破綻してスター・システムが崩壊、五社協定が自然消滅した為、本作は東宝の製作でありながらまるで大映映画の趣である。

北町奉行所の同心かみそり半蔵(勝新太郎)が、筆頭与力の大西(西村晃)らの悪徳を立証しようと探るうち、遠流されたはずの大物犯罪者(田村高廣)が江戸にいる事実から、与力が現在その愛人(朝丘雪路)を妾にしていることを突き止める。
 彼らを追及するうち大奥の絡む事件が浮上するが、その事件というのが噴飯ものの内容。

日本のメジャー映画がエロに走り出した時代らしくエロ場面を見せたいが為にお話が構成されているような感があり、色々とごちゃごちゃしている為に、性を見せることに特化したロマン・ポルノより厭らしいと言って良い。時代劇のタイプとしては虚無主義的な「眠狂四郎」に近いものの、かのシリーズが徹頭徹尾クールであったのに対し、反権威主義的なこちらはエロ絡みのくだらなさから喜劇性が強くなっている。そういう意味で、勝がかつて主役を演じた「兵隊やくざ」の路線を強調した感じである。

背景音楽がバリー・ホワイト風であったり、幕切れ部分でモップスが主題歌を歌ったり、当時の感覚とすれば先鋭的と言おうかテキトー。映画に馬力があった時代の作品という感慨も得られるが、上品な方にはお勧めしかねる。

三隅監督は横の構図を強く意識させる作家で、コンビ作の多い撮影監督・牧浦地志とのコンビネーションもいつも通り良い。彼の横の構図は左右の一方を寄りで撮ることにより構成されるケースが多いため、その場合には同時に縦の構図をも多分に意識させることになる。本作では橋の上で主役たちが相見(あいまみ)える場面が代表的なものである。但し、全体の出来栄えは別で、三隅監督の作品としては余り褒められない。

1968年映画先進国で一番保守的だったアメリカがヘイズ・コードを撤廃して、映画が世界的にエロを目指し出す。アメリカのスター・システムも崩壊した。歴史の流れとは同時多発的に動き出すものと痛感する。

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