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zoom RSS 映画評「オデッセイ」

<<   作成日時 : 2016/12/10 09:55   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2015年アメリカ映画 監督リドリー・スコット
ネタバレあり

昨今SF映画が多いと言ってもアメ・コミのようなファンタジーが跋扈している感じなので、本作のような本格SFは1980年代以前ほどでないにしてもまだ貴重である。
 本格SFというのは、純科学的要素が多いということで、科学的に正しいかどうかではない。僕と映画論を戦わせたある人はアーノルド・シュワルツェネッガー主演「トータル・リコール」の火星の引力がどうのこうの言っていたし、同じく火星が舞台の本作についても色々仰る人がいらっしゃるが、そんなことは一般大衆には問題にあらず。科学者と理系の高校生・大学生にしか解らないことは一般人の常識ではなく、寧ろ科学的に正確でない方が映画的には面白くなる場合が多いと思う。

火星で有人探査をしていたグループが猛烈な砂嵐に見舞われ、クルーの一人マット・デイモンが負傷、彼の死を疑わずに機長ジェシカ・チャステインは帰還してしまう。ところが、彼は偶然が手伝って生きていて、施設内で人糞を肥料にじゃがいもを育てる。地上では彼が生きているのに気づいて色めき、最終的にマスコミに公表する。デイモン氏はさらに旧式の機械を使って連絡を取る方法を思いつき、次第に通常通りの連絡ができるようになる。地上では彼を救出する知恵が絞られ、かつてのクルーたちが救出に向かうことになる。

主人公のサバイバルぶりと救出を巡る時限サスペンスがお楽しみとなる一編で、リドリー・スコットが扱うには些かMOR的にすぎる内容ながら、主人公が知恵を絞る場面を筆頭に一通り興味深く観られる。映画的に「アルマゲドン」のマイケル・ベイのように大味ではないし、才能ある人は何を作らせてもきちんとこなすという印象を一応与える。
 しかし、救出に関する科学的部分は文系人間にはよく解らず、それで面白くなったとは言えない。理系以外の人々の頭をこんがらがらせ何となく良い映画と思わせる効果があるくらいだろうか。

それより、機長が選んだという設定の(ディスコ)音楽のユーモラスな使い方が楽しい。テルマ・ヒューストンの「ドント・リーヴ・ミー」Don't Leave Me This Wayは主人公の心境と重ねられ、エンド・クレジットの部分では布施明の日本語版も有名なグロリア・ゲイナー「恋のサバイバル」I Will Surviveが流れて(これらの曲名を知っている人を)笑わせる。僕も大いに受けた。デーヴィッド・ボウイーの名曲Starmanは聴くだけで感動する。

原題と違う邦題は、視覚的に似ているところがある「2001年宇宙の旅」の原題2001: A Space Odysseyを意識したものだろう。

総合的に、IMDbの平均点8.0は過大評価という感は否めない。

FMでよく流れていた「恋のサバイバル」は大学で悪戦苦闘していた日々を思い出させる。日本の大学は入学さえすれば後は簡単と言われるが、我が大学我が学科に限ればそんなことはなかった。

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