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zoom RSS 映画評「大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院」

<<   作成日時 : 2016/11/06 08:32   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2005年フランス=スイス=ドイツ合作映画 監督フィリップ・グレーニング
ネタバレあり

ドキュメンタリーと記録映画は同義語であるが、敢えて分けて考えたい。自分の主張に沿わせるために内容を取捨選択して構成するのがドキュメンタリー、編輯はあるもののそこにあるものを記録し繋げていくものが記録映画という風に。その意味で本作は記録映画に属する。

修道院を扱った劇映画は少なくないが、ドキュメンタリー若しくは記録映画は珍しい。しかも、日常を沈黙して過ごすキリスト教カルトジオ会の修道士たちの生活をひたすら観照的に捉えるだけ。ドキュメンタリーと言えども観照的な態度を貫くのは難しいことだから、それ故に本作は“記録映画”の名に値する。

内容については、沈黙の人生であることは常に修行であるということで、煩悩だらけの僕のような人間にはとても真似できないと感嘆するほかはない。それだけを捉えて何が面白いのかと言われると何も面白くない。ただ、自然光で捉えられたショットの中には、そのままレンブラントやフェルメールにでも描いてもらいたいようなものが幾つも出て来る。僕ら一介の映画ファンとしては、それに尽きる感じである。

「観照的な態度」と述べたが、実はそれが最後になって曖昧になる。それまで聖書の言葉以外に言葉らしいものがなかったのに、最後老修道士に宗教的人生について語らせてしまうのである。映画としてその是非に触れないとは言え、宗教的人生の是非を越えたところに本作の境地あるいは価値があることを考えれば、首尾一貫しない感が否めない。

娯楽性は全くなく、169分という長尺なので、「篤志家はどうぞ」といったところ。

正に「薔薇の名前」で描かれた中世がそのまま残っている。ビックリするなあ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
日本でも千日開講なんてのを1000年?ぶりにやった阿闍梨がおりますね。
驚きます。
ねこのひげ
2016/11/07 23:51
ねこのひげさん、こんにちは。

>千日開講
昨年だったか、NHK「スイッチ・インタビュー」で出た方が戦後二人目だとか。
阿闍梨という言葉も歴史の重さがありますね。

オカピー
2016/11/08 18:06

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