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zoom RSS 映画評「信長協奏曲」

<<   作成日時 : 2016/11/25 09:43   >>

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☆★(3点/10点満点中)
2016年日本映画 監督・松山博昭
ネタバレあり

僕らの世代で、現代人が昔にタイムスリップしてしまうという映画で思い起こすのは、何と言っても1979年の「戦国自衛隊」である。当時はSFも余り作られない時代であったし、物珍しい素材であった為なかなか楽しめた。昨今はうじゃうじゃとは言わないまでも相当作られているので有難味がない上に、現代人が戦国時代末期にタイムスリップする、漫画家・石井あゆみの同名コミックを映画化したという本作は余りにデタラメで中盤辺りでかなり興醒めした。

時代劇と言えども我々現在の人間の生活感情に訴えるものがなければならない。その為に登場人物の性格造型や風俗が現代に準じるのはやむを得ない。しかし、現在そのものでは時代劇として作る意味はなく現代劇で十分である。いかに現代人が紛れ込んでいるとは言え、この作品はその最低限の基準をクリアできているだろうか、という問題が一つ。

しかし、もっと大きな問題はお話に整合性がないのではないか、ということだ。まず、その為に梗概をば。

歴史に疎い現代の高校生サブロー(小栗旬)が戦国時代にタイムスリップ、風貌がそっくりな体の弱い織田信長(小栗二役)の身代わりとなり戦国の世を上手く操縦していく。少年の頃無能な信長に村を焼かれた秀吉(山田孝之)が信長を殺すために配下に納まり、そこへ本物の信長が明智光秀として戻って来る。
 この辺りまでは実はTVで紹介された部分らしく、ダイジェスト的に説明された後、二人の関係を知った秀吉が光秀となっている本物を殺した後反逆者としてサブローつまり偽信長を処刑することを企む。

そんなお話であるが、まず、サブローが歴史を何にも知らないのは良いとして、彼が「いつどのように死ぬか」と不安を抱くのは全く可笑しい。何故なら、これまた現代からやって来た松永弾正(古田新太)に教科書を見せられて死ぬことを知ったのだから。教科書の「死んだ後」という文言ばかり気にして、その前ページに書かれている筈の本能寺で殺されたことを気にしないのはそれこそ「うつけ」である。学力の有無以前の問題と言うべし。こんなすかすかの脚本はペケだ。
 祝言(結婚式)をする為に信長がいた本能寺に光秀(信長)を連れた秀吉一味が攻め込むのは良いとして、秀吉が信長を殺した後、「謀反を起こした光秀を討ち、帰蝶様=濃姫=信長の正室(柴咲コウ)をお守りするのじゃ」と配下に言うのも変である。何故なら、彼についてきた配下は彼が信長を殺し偽信長(サブロー)に責任を押し付けて彼を光秀として殺し織田信長一族を滅ぼす策謀を知っていたはずだからで、現に場面が変わると帰蝶は彼らに守られるどころか追われている。こんな混乱しまくった脚本はペケだ。

平和云々もおためごかし的でバカらしい。その他、スマホ(の電池の問題)、指輪など現代若しくは西洋アイテムの扱いもデタラメに過ぎる。

大奥が将軍が男性であるが故に成立するシステムであるという基本中の基本を無視したパラレル・ワールド時代劇「大奥」(2010年)とバカらしさで良い勝負じゃろ。

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