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zoom RSS 映画評「ムーン・ウォーカーズ」

<<   作成日時 : 2016/10/24 08:59   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年フランス=ベルギー合作映画 監督アントワーヌ・バルドー=ジャケ
ネタバレあり

フランスのTV局がアポロ11号の月面着陸はスタンリー・キューブリックにより捏造されたという内容の傑作フェイク・ドキュメンタリーを作った。このTV番組により都市伝説ができたのか、都市伝説があってかの番組が出来たのか僕は知らないが、いずれにしても、本作はこの捏造説を踏まえて作られたドタバタ・バイオレンス・コメディーで、フランスで作られたのもその番組故であろう。

1969年、ソ連との宇宙開拓競争に負けたくないアメリカ政府は、ベトナム帰還兵のCIA諜報員ロン・パールマンに、前年「2001年宇宙の旅」で宇宙特撮の実績を作った映画監督キューブリックに、アポロ11号の月面着陸の失敗に備えて保険映像を撮らせるよう命じる。
 早速キューブリックのいる英国に出かけた彼は、コーディネーターに会いに行くが、その時事務所にたまたまいたのが彼に金の無心に来ていたロック・ミュージシャンの従弟ルパート・グリントで、彼になりすまし、キューブリックを交えての交渉を約束する。グリントはジャンキーの友人ロバート・シーハンをキューブリックに仕立て、大金を詐取するが、その直後に取り立てに来たマフィアに奪われてしまう。
 片や偽物と気づいて激怒したパールマンが取り戻しに現れ、殺されたくない二人は別の監督スティーヴン・キャンベル・ムーアでの撮影を提案、監督に会う前にマフィアから大金を取り戻す。前衛映画の監督なのでどうなることかと思いきや、それなりに何とかなりそうになってきたところ、大金を奪取されたマフィアがスタジオに現れて大混乱する。

詐欺と嘘が絡み合いそれぞれの思惑を抱えた連中が交錯して巻き起こすドタバタは、本作の背景となっている1960年代末に流行った(サイケデリック的な)狂騒的映画を踏襲している感じだが、違うのは現在の映画らしく過激な暴力を伴っていること。それも極めて英国流アナーキーの感が強く、フランス(=ベルギー合作)映画としてどうなのかと不満を喚起しかねないが、良くも悪しくも映画のグローバル化は避けられない状況なのでこれについては本稿では措いておく。

本作の面白さの肝は、混乱が混乱を生む様相にあり、どんな暴力があっても主要人物は死なないお惚けにあるが、それをさらに楽しむには60年代末に流行したサイケデリック文化を知っていることが必要。
 開巻直後の「イエロー・サブマリン」風のタイトルバック、全編を彩るサイケデリック・ロックやアシッド・ロック(有名なところでジェファーソン・エアプレイン「ホワイト・ラビット」、ラヴィン・スプーンフル「デイドリーム」)が嬉しい。前出「イエロー・サブマリン」や「キャンディ」といったサイケデリックな映画を思い出すオールド・ファンも多いだろう。

マイケル・ジャクソンのファンが出て来る映画ではありません。勘違い無きよう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
月面着陸をいまだに信じていない奴がいるし、ノアの箱舟を現実に起きたと信じている手合いもおりますからね。
ねこのひげ
2016/10/30 17:10
ねこのひげさん、こんにちは。

夏の前に、創造説に凝り固まっている【エホバの証人】の方と喧喧囂囂と色々やりましたけど、それはそれでおもしろかったですよ。
オカピー
2016/10/30 21:38

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