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zoom RSS 映画評「ベルリン・天使の詩」

<<   作成日時 : 2016/10/21 09:27   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1987年西ドイツ映画 監督ヴィム・ヴェンダース
ネタバレあり

1980年代ヴィム・ヴェンダースは物凄い勢いだった。70年代の旧作も次々と公開されて目を見張らせるものがあった。本作はその80年代に発表された彼の代表作で、続編が作られ、アメリカでリメイクも為された。

天使のブルーノ・ガンツが親友の天使オットー・ザンダーとベルリンに降り立ち、人々の内心の声を聞いて回り、悩める人々をそっと元気づけたりするうちに、閉業するサーカスの美人ブランコ乗りソルヴェイグ・ドマルタンに恋し、天使としての無限の命を捨て人間になって彼女と結ばれる。

というお話で、彼が天使から人間になると画面はフォトジェニックなモノクロからカラーに変わる。五感のない天使を通した世界がモノクロ、命に限りはあるが血の流れる人間の目を通した世界がカラーで表現されているわけで、カラーとモノクロの使い分けが効果的。僕の言う“主観的客観”というやつで、天使が第三者的に捉えられるショットでも彼の主観が反映されるのでモノクロになると考える。

ベテランのアンリ・アルカンを起用した撮影が抜群。モノクロで捉えた街の風景が魅力的に映し出されるだけでなく、内心を綴っていく各ショットと記録映像との混ぜ合わせがベルリンならではの歴史的な重みすら感じさせ、ドラマというよりは映像詩として我々の脳裏に強烈に焼き付けられる。

二日前に「気狂いピエロ」(1965年)を再鑑賞したということもあって、言語と映像のコラボレーションという点でジャン=リュック・ゴダールと共通性があると(二回目の鑑賞に過ぎないが)今回初めて感じた。ゴダールから強い思想性を取り除き、ぐっとリリカルにした感じであるが、決定的に違うのは人々への優しい視線だ。ゴダールのような皮肉がないから親しみやすい。

最後に、映画の天使として小津安二郎とアンドレイ・タルコフスキー共々、(ゴダールではなく)フランソワ・トリュフォーに敬意を表している。本人として出演しているピーター・フォークが実は元天使という設定も面白い。

アメリカ版は天使の恋というアウトラインだけを戴いたロマンスでした。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
良い映画でありましたね。
ピーター・フォークが哭かせます。
ねこのひげ
2016/10/24 01:28
ねこのひげさん、こんにちは。

ピーター・フォークが天使だったとはねえ^^
彼は映画と言うより、TVの天使だったのだな。
オカピー
2016/10/24 17:02

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