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zoom RSS 映画評「クーデター」

<<   作成日時 : 2016/09/11 09:23   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督ジョン・エリック・ドードル
ネタバレあり

傑作「キリング・フィールド」(1984年)のアクション版の趣。

某国と言っているが、隣国がベトナムという設定ではラオスかカンボジアしかない。現在のカンボジアはかなり平和な印象ながら、1970年代は革命の名の下に人類史上最悪とも言われる自国民の殺戮が行われ、結婚などで巻き込まれた日本人もいる。その様子を描いたのが「キリング・フィールド」である。

さて本作。
 東南アジア某国にある自社企業支店に米国人オーウェン・ウィルスンが、妻レイク・ベルと二人の娘を伴って、赴任する。ホテルにチェックイン直後首相が暗殺され、翌朝彼の企業を嫌う暴徒が外国人と関係者をターゲットに殺戮を繰り広げる。
 以降、ウィルスンが家族を連れて隠れ、逃げ、工作員ピアース・ブロスナンの助けを得て、時に暴徒と対決する模様をサスペンスフルに描く。

こういう純度の高い直線型は僕の大いに好むところだが、例によってアクションになると途端に画面が揺れ始めるのにがっくり。監督のジョン・エリック・ドードルが劇映画における映画言語を知らないか、全く無視しているかのどちらかで、彼に限ったことではないが、お話の結構が単純であるだけにそれが目立ってしまう。
 揺れると臨場感を感じるというのはドキュメンタリーを思わせることによる錯覚。しかし、作り手・カメラマンの主観で作られるドキュメンタリーと違い、神の視点で進む劇映画でこの手法が堂々と認められるのはPOV映画と、登場人物による主観ショットだけである。劇中カメラマンの存在も登場人物の主観もない揺れる(より正確には揺らす)ショットはあってはならない。揺らさずに臨場感を感じさせるのが映画監督本来の役割だ。きちんとしたカメラで撮っていたら少なくとも☆一つ分増やすことができた。

邦題にも違和感あり。首相は確かに殺されているが、内部関係者がいるかどうか解らないのでクーデターなのか反乱なのか判然としない。少なくとも本作の主人公に絡んでくるのは政府に関係ない暴徒なので、この邦題はしっくり来ないのである。

ゾンビ映画の亜流だが、太刀打ちできそうもないゾンビと違って「何とかなるかもしれない」という気持ちがサスペンスに繋がる。相手が強ければ強いほどサスペンスが増すというのは嘘で、相手が強すぎると諦めたくなるのが人情。リトルリーグの選手をプロ野球の選手と同じルールで戦わせても興味が持てないようなものである。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
テレビ番組でハリウッド撮影で格闘シーンで拳があたっているように見せるカメラワークというのを説明を交えながら見せておりましたけどね。
なるほど!でありましたけどね。
カメラをゆらせて臨場感というのもそろそろやめたほうがいいような・・・
ねこのひげ
2016/09/11 18:20
ねこのひげさん、こんにちは。

揺らすのはイージーですよね。観客の錯覚を利用しているわけですから。
実際には、その中で色々工夫はしているでしょうけど。

>格闘シーンで拳があたっているように見せるカメラワーク
フィルムのほうがこれもうまく感じさせることができるんですよね。
一般的に、TVドラマはやはり下手です、この辺り。
オカピー
2016/09/11 20:33

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