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zoom RSS 映画評「彼は秘密の女ともだち」

<<   作成日時 : 2016/08/27 09:43   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年フランス映画 監督フランソワ・オゾン
ネタバレあり

フランソワ・オゾンの異色ドラマ。

小学生の時から同性愛的に愛を注いできた親友ローラ(イジルド・ル・ベスコ)を失って落ち込む若い人妻クレール(アナイス・ドムースティエ)が、若くして鰥夫となったダヴィッド(ロマン・デュリス)を慰めようと訪れてビックリする。彼が女装して生まれたばかりの赤子をあやしている現場を見たのだ。
 最初は抵抗を覚えた彼女も、ローラの服を着る彼にローラの代替を発見し、夫ジル(ラファエル・ペルソナーズ)に内緒で仲の良い女友達同士のように外出する。
 やがて彼が交通事故で昏睡状態に陥るが、新たに名付けた女性名で呼ぶと瞬間的に目を覚ます。これにヒントを得た彼女が彼に本格的な女装を施すと、蘇生する。

というお話で、この二人の関係は異性愛であると同時に同性愛であり、しかもダヴィッドに同性愛の傾向がないためにひねくれた状況が発生して面白くなる。精神的にローラを愛してきたクレールにしてみれば女装するダヴィッドに対して精神的には同性愛になり、肉体的には異性愛となる。彼との肉体的な接触を避けようとするのは肉体的にはローラへの遠慮であり、精神的にはジルへの配慮なのかもしれない。いずれにしても二人の関係は次第にクレールの同性愛志向を強め、ダヴィッドの女性化への意欲を強めていく。

LGBTとは別に、一種のフェティシズムとして女装を趣味とする男性(広義のトランスジェンダー)が世の中には結構いるようだ。本作の場合は、そうした女装愛好者の主人公が、女性同性愛の潜在的志向者たるヒロインにより、もっと本格的なあるいは狭義のトランスジェンダーに変質していくような感じがあるが、いずれにしても多くの人から見れば依然“変態”である。しかし、オゾンは、徐々に理解されつつあるLGBTに加え、こうしたマイノリティーへの理解が、いずれ進んでいくだろう、という希望をにじませて作劇していく。

僕の場合は、一種の風俗劇としての興味が先に立つ。亡妻への化粧から始まるのは作劇的に巧いが、映画としてどうのこうの以上に、自由人に勇気を与える作品であるかもしれない。

しかし、ロマン・デュリスは髭が濃いので、女装が余り美しくない。審美学的にこれは困る。

差別する気はさらさらなけれども、生理的に男の同性愛映画は苦手。知識を得て騒ぎたい盛りの中学の時とは言え、そんな僕に同性愛疑惑があったのだから笑ってしまう。

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タイトル (本文) ブログ名/日時
映画・彼は秘密の女ともだち
原題 UNE NOUVELLE AMIE英題 THE NEW GIRLFRIEND2014年 フランス ...続きを見る
読書と映画とガーデニング
2016/08/27 14:47
彼は秘密の女ともだち ★★★.5
『スイミング・プール』『危険なプロット』などのフランソワ・オゾン監督が、偽りなき自分を受け入れ自分らしく人生を歩む勇気を問い掛けるドラマ。親友の死をきっかけにその夫の秘密を知った平凡な主婦が、奇妙な友情を育む中で人生を輝かせていくさまを描く。主人公を演じるのは、『間奏曲はパリで』などのアナイス・ドゥムースティエ。彼女の友達を『真夜中のピアニスト』などのロマン・デュリスが演じるほか、『黒いスーツを着た男』などのラファエル・ペルソナーズらが共演。 あらすじ:親友が死去し気を落としていたクレール(アナ... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2016/08/27 15:19
彼は秘密の女ともだち
【概略】 親友を亡くしたクレールは、残された親友の夫・ダヴィッドを訪ねる。そこで彼女は、ダヴィッドから「女性の服を着たい」と打ち明けられ…。 ドラマ ...続きを見る
いやいやえん
2016/11/27 07:51
「彼は秘密の女ともだち」
フランソワ・オゾンである。 ...続きを見る
或る日の出来事
2017/01/06 21:57

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どんなに美男子であっても男には恋愛感情はわきませんけどね。
同性愛に関する差別というのは、生物学的嫌悪感が根源かもしれませんね。
ねこのひげ
2016/08/28 10:18
ねこのひげさん、こんにちは。

基本は子孫を残すように生物は生れ、人間もその例外ではないですが、考える葦であるから、性同一性障害なんて現象も生まれ、ややこしいことになる。同性愛者には性同一性障害的な角度から同性を好きになる人もいるであろうし、潔癖症的な理由で異性を受け付けられないなんて人もいるのでしょうねえ。
オカピー
2016/08/28 22:58

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