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zoom RSS 映画評「寄生獣」

<<   作成日時 : 2016/08/22 09:09   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
2014年日本映画 監督・山崎貴
ネタバレあり

岩明均の人気コミックを山崎貴が映画化したSFホラーの前編。

海から進出してきた生物が耳から人の脳内に入って乗っ取り始める。高校生の染谷将太はヘッドフォンで音楽を聴いていた為その災難を免れるが、右手に住み着いて成長する。定着した生物は脳を奪うことができない為少年はミギーと自称し始めた生命体と共生関係になる。染谷少年は、人間の体を完全に乗っ取りその肉体を鋭い鎌状の武器に変えることができる仲間の怪物からミギーに守ってもらい、ミギーは彼から栄養をもらうのである。
 ある日ミギーの察知能力は学校の新任教師・深津絵里が怪物であると読み取り、この珍妙なるコンビが彼女の属する怪物グループと対峙するうち、彼の母親・余貴美子が怪物に乗っ取られる事件が起き、少年も乗っ取った怪物に仕留められてしまうが、ミギーの機転で心臓を修繕されて蘇生する。
 少年は海洋生物の影響で冷徹な精神と共に凄い運動能力を持つようになり、学校で美術部員を殺戮する事件を起こした“転校生”東出昌大をミギーの変化した弓で射殺し、さらに母親を乗っ取った怪物の頭を切り取る。官憲も学校での事件により一段と踏み込んだ秘密工作を開始する。

一週間前に宇宙人侵略SFの古典「ボディ・スナッチャー/恐怖の街」(1956年)を観たばかりだが、こちらは宇宙人ではないながら、着想的には近い。乗っ取られた人間は表情が乏しいというのも共通、ほぼ定石になっている。
 原作では侵略者は宇宙生物と聞くが、地球内の海洋生物に変えられたのは、作者側に「人間は環境を破壊する生き物」というメッセージを放つ意図があるからだろう。

近作との比較では、同じく二部作型の和製SF[進撃の巨人」よりぐっと楽しめる。ドラマにも実績のある山崎監督が、樋口真嗣監督と違って、話術にぐっと長けているからである。感情的な人間と冷徹な海洋生物とが互いに引き起こす精神的な変化をお話の進行に色々と利用して面白く、彼を慕う美術部員・橋本愛が彼の変化を示す役目を負って狂言回し的に機能しているのが良い。扱い次第ではくさくなりかねない母親と少年との関係における人情の扱いも巧みで、じーんとさせられる。

「明日ありと思う心の仇桜」というやつですな。

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寄生獣
後編の公開を記念した、テレビのオンエア版で見たので、お茶の間向け、& 後編鑑賞の予備知識として、すごく総集編っぽい、というか、編集が入り、カットも沢山に感じられたのですが、プチグロながら、なかなかに見応えありました。それに、染谷将太の主役力も抜群だったし(「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」に続き、イイ仕事してますね)や、深津絵里や東出昌大が演じるモンスターの、まがまがしさ、余貴美子、演じる母親との関係といい、橋本愛の華を添える存在感や、人間とモンスターの手に汗バトルといい、「... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
山崎さんの作品はいい作品が多いですね。
ねこのひげ
2016/08/28 12:56
ねこのひげさん、こんにちは。

山崎監督は、語りがうまいと思います。現在、娯楽派では一押しかな。
オカピー
2016/08/28 22:43

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