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zoom RSS 映画評「セクシー地帯」

<<   作成日時 : 2016/08/02 08:40   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1961年日本映画 監督・石井輝男
ネタバレあり

新東宝の地帯(ライン)シリーズ第4作。シリーズは五本作られたが、石井輝男の脚本・監督作品はこれが最後になる。ジャンル映画としてはミステリー性の高い本作が一番面白いかもしれず、ご祝儀を含めて★一つ分多めに進呈しておきました。

商社社員・吉田輝男が美人スリ・三原葉子に重役から預かった書類をすられる。スリ仲間と思われて警察に拘束された後釈放された彼は、その責任を取らされる形で大阪支店への左遷を言い渡される。夕方、同僚で恋人の三条魔子が重役に抗議しに行く。
 実は彼女は秘密会員制クラブに所属するコールガールで、重役はその会員である。その夜吉田は彼女に会おうとアパートを訪れるが不在でふてくされて帰宅する途上、ラジオの報道で彼女が殺され、彼が容疑者となっていることを知る。
 女スリに再会した吉田が彼女を追及、酒場で話し込み彼女の差し出したカードを観ていると、バーテンが「良い所を紹介します」と声をかけて来る。番号の振ってあるそのカードが会員証なのである。冒険大好きな葉子ちゃんは吉田と組み素人探偵気取りで、片やその筋の女性としてクロッキー(写生)・クラブなる絵画教室を装った斡旋場に潜入、片や会員の客として斡旋場に入るが、途中で正体がばれて二人は監禁されることになる。

実は本作を見る少し前に読んだコーネル・ウールリッチのサスペンス小説「恐怖の冥路」とお話の構図が似ていてニヤニヤした。かの小説は、人妻と海外に逃げた男がその女性を殺された上に犯人として現地の警察に追われるが、警察嫌いの莫連女に助けられ、彼女の情報を元に自ら真犯人が巣くうアヘン窟に入ってピンチを迎えるのだ。結構似ているでしょ? 

本作はかの小説やシリーズ第2作「黒線地帯」同様ヒッチコック流の「追われながらの犯人探し」というわけで、談判に入った酒場がクラブの中継点であるなど例によってご都合主義が目立つが、お話の流れはぐっとスムーズになっていてストレスがない。三原葉子が救助を求めた紙を紙飛行機にして飛ばしたところ子供に拾われたため要領を得ないといった部分が趣向としては最優秀で、1940〜50年代の欧州製サスペンスを思い出させるものがある。

フォトジェニックな画面は相変わらず良い。MJQ風にヴィブラフォンをフィーチャーしたジャズの背景音楽も楽しめる。昨今の日本映画よりずっと面白いですぞ。

本作、お話の構図はヒッチコック。映像はヌーヴェルヴァーグ。三原葉子のヒロインは「おしゃれ泥棒」と「ティファニーで朝食を」のオードリー・ヘプバーンを合わせたような感じかな?

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
石井さんが映画フアンであることがわかる映画でありますな。
しかし、タイトルなんとかならんかったものですかね。
ねこのひげ
2016/08/07 07:40
ねこのひげさん、こんにちは。

今の監督がそうでないとは言わないものの、昔の監督は映画ファンが多かったような気がしますね。

>タイトル
笑っちゃうタイトルですけど、おかげでシリーズの中ではアクセスが好調です^^
オカピー
2016/08/07 19:47

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