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zoom RSS 映画評「ジョン・カーペンターの要塞警察」

<<   作成日時 : 2016/07/04 09:32   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1976年アメリカ映画 監督ジョン・カーペンター
ネタバレあり

30年後の2006年にリメイクされたジョン・カーペンター監督の日本劇場未公開作品。劇場未公開でありながら物凄い人気で、TV放映やビデオで観た方が多い模様。確かに傑作だが、僕の措辞においては、傑作=秀作とは限らないと最初にお断りしておきます。

カリフォルニア。護送中の囚人のうち一人が体調を崩した為、引っ越しがほぼ終わって事務員の女性二人(ローリー・ジマー、ナンシー・ルーミス)と補助的にいた黒人警官オースティン・ストーカーしか残っていない手薄な13分署の留置所に3人の囚人が警察医が現れるまで収監されることになる。
 一方、ストリート・ギャングが何故か狙っている移動アイスクリーム屋に買いに来たお嬢ちゃんが出現したギャングの一人に射殺される。それに気づいた父親が、店主を殺してさっさと逃げるギャングの車を追い、犯人を殺す。その為ギャングに追われた父親が必死に逃げ込んだ13分署は、ストリート・ギャングに囲まれる砦と化してしまう。ストーカーは、囚人たちを自由にして防衛に協力してもらうことにする。

「リオ・ブラボー」(1959年)の現代警察版である。何かと引用されることの多い「リオ・ブラボー」に限らず、西部劇には珍しくなかった趣向で、それをぐっと単純化したのは殊勲ながら、お話としてそう新味があるわけではない。だから、スティーヴン・スピルバーグの出世作「激突!」(1972年)と並ぶという意見には一部賛同できると共に、着想という点において見劣りするという印象を覚える。秀作というには新味が欠けている。

しかし、タッチは断然優秀で、僕が本作で一番感心したのは、気の毒な少女が殺される場面。その前段でギャングの車が行ったり来たりして不気味なサスペンスを醸成した後、いきなり少女が射殺されるその断裁的な処理に驚くのである。ハードボイルドなのである。こういうのはメジャー映画も見習ってほしいところで、昨今はメジャー映画も残忍性は増した、というよりメジャーとマイナーの枠が色々なところで取り外されているが、なかなかこういうハードボイルドさは今でもそうは見られない。ロマンスを絡めるなどしてだらだらさせるところがないのも有り難い。

B級映画だからこそおためごかしにメッセージを入れたがる作品が意外と多い中、下手な理屈やメッセージなんてものがないのも僕を大いに頷かせるものがある。

頑丈な家を作った大工さん(カーペンター)てなとこですかな。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
>いきなり少女が射殺されるその断裁的な処理
あの場面はいまでも覚えています。少女の持っていたアイスクリームがべちゃっとなるので唐突な蛮行と無残さを表していた。こわいけどうまいなと思いました。あんまり汚らしい絵にせずに、残酷さを伝えてくるんですね。
カーペンターだからしかたがないんでしょうけど、全体にB級臭が漂っていて、ファンにはそれがまた好ましいのでしょうが、スピルバーグにくらべると高級感に欠けます。でも、私はこのころカーペンターの映画をよく見ていて、どれも好きでした。
nessko
URL
2016/07/04 11:52
nesskoさん、こんにちは。

この当時の残酷の表現は非常に端的なものが多かったですね。本作はその中でも抜群の処理で、却って凄みが出ています。

>B級臭
それを必要以上に持ち上げると嫌味になりますが、B級らしくコンパクトに作る特長は評価できますよね。
三流どころは、安っぽさを避けようと、メッセージなどを投入しますけど、そんなのお構いなし。その潔さが買いです(笑)
オカピー
2016/07/04 20:33
これも劇場で観ました。
カーペンターの作品はB級映画ですがけっこう好きな作品が多いです。
ねこのひげ
2016/07/10 16:57
ねこのひげさん、こんにちは。

カーペンターの「ニューヨーク1997」が確か今週金曜日にNHK−BSで放映されますね。これも見る予定。
オカピー
2016/07/10 17:22

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