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zoom RSS 映画評「黒衣の刺客」

<<   作成日時 : 2016/07/26 09:02   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年台湾=中国=香港=フランス合作映画 監督ホー・シャオシェン
ネタバレあり

中国の武侠映画と言えば、ワイヤーアクションと華美な映像美で見せる作品というイメージが強いが、本作は監督がホー・シャオシェンで実質的に台湾映画ということもあり、ぐっと抑制された本格派の趣である。

周辺蛮族に備える機関・藩鎮が力をつけ唐の体制が揺るぎ始めた8世紀末、道士に暗殺者として鍛えられた美人スー・チーが故郷の魏博(藩鎮の一つ)に送り込まれ、節度使(藩鎮長官)チャン・チェンを殺すことになる。
 彼女はかつて婚約者であった彼を、それ故容易に暗殺することができない。それを知ったチャンは彼女の養父たる伯父レイ・チュンユイを左遷、彼女がその防衛に奮闘し、日本から来た鏡磨きの青年・妻夫木聡に助けられる。
 結局、彼女は師匠の道士に暗殺失敗を告げ、日本の青年と共に新羅へ向かう。

延々と格闘場面が続いても退屈するので、リリカルな画面をじっくり積み重ね、心情を画面に沈潜させるホー監督らしい手法は必ずしも悪くないのだが、名詞の解りにくさ、人物関係が把握しにくさのため、非常に面白く観られるとは言いがたい。少なくとも僕はかなりお話に置いてきぼりをくらった。

ワイヤーアクションは最小限、CGもほぼ使っていないようで、しかも4:3スタンダード・サイズの画面が断然美しい為好感が持てる。しかし、前述したように、このジャンルとしては物語に面白味が薄いので物足りない。華美である必要はないものの、もう少し解りやすさがほしいのである。

日本の青年が故国の妻・忽那汐里を回想するシーンは本編のお話とは全く関係のないサービスで、日本公開版オンリーということらしいが、有難迷惑気味。寧ろ外国の観客に見せた方が良い。

東シナ海、南シナ海問題に関して日中台は互いに仲が悪い。それに反して、映画界の関係は順当なようです。

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「黒衣の刺客」
第68回カンヌ国際映画祭監督員賞受賞作。ホウ・シャオシェン監督作品。映像の美しいこと!こんなに美しい映像の作品は、近年ドキュメンタリー以外では観た事がない。きっと本当に8世紀の魏では人々も風景もこんな風であったのだろうと確信する。冒頭は、インニャン(スー・チー)が道士の所で修行をしているシーンで、ここはモノクロ画面の演出である。そしてインニャンが故郷に帰され、タイトルバックが中国の水辺の夕焼けのカラー画面に転換。正に息をのむ美しさ!転換の妙!これだけでもこの作品を観て良かった!これだけでも満足だ... ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
人間関係をもう少しわかりやすくしてくれるとありがたかったですね。
古代歴史の説明を入れたほうが・・・・

政府と一般庶民の感覚はかなり違いますからね。
台湾と沖縄諸島の人たちはほとんど自由に行き来して商売しているそうですしね。
国境線なんて見えない線引きなんて関係ないという事でしょうかね。
ねこのひげ
2016/07/31 06:22
ねこのひげさん、こんにちは。

武侠映画と紹介されていますが、実際には大昔を舞台にしたドラマといったほうが近い感じでしたね。
藩鎮こそ高校時代に倣った記憶があるとは言え、いきなり【魏博】なんて言われて解るはずもありません。彼女が命を狙った人物は王ではなくて節度使ですが、この辺を間違えているブログも散見しました。

沖縄の人も台湾の漁民は怖くないでしょうが、中国の漁船は怖いでしょうね。その台湾も尖閣諸島は自分の領土であると言っていますから、これに関しては中国同様政府間が必ずしもうまくいっているわけではないですよね。

オカピー
2016/07/31 20:55

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