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zoom RSS 映画評「間奏曲はパリで」

<<   作成日時 : 2016/07/01 08:32   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年フランス映画 監督・マルク・フィトゥシ
ネタバレあり

1980年代くらいから恋愛感情が絡むフランス映画は面倒くさいタイプが増えてきて今一つ好まない作品が多かったが、日本初お目見えとなるマルク・フィトゥシという監督の本作は、なかなか感じがよろしい。
 恋愛映画ではなく、夫婦愛映画であるが、アヴァンチュールが絡んで大人のムードがあり、邦題から想起させられる「幸せはパリで」が作られた頃1970年代初めの映画音楽のような抒情性たっぷりの主題曲も魅力。

ノルマンディーで牧畜業を営む朴訥な夫ジャン=ピエール・ダルッサンに嫁いでうん十年の主婦イザベル・ユペールは、二人の子供も成人して、やや倦怠感あり。
 ある時隣の姪の家でパーティーがあり、パリから来た友人なる若者ピオ・マルマイが何故か秋波を送ってくる感じで好奇心を覚える。そこで、正体不明の湿疹を治療を名目にパリに出ることにし、惚けて彼の勤める洋品店に出かけて夕食を一緒に取ることになる。しかし、田舎では好青年に見えたマルマイ君、愛読しているという作家の文庫本を麻薬の巻紙に使うなど幻滅の連続。そこですたこら逃げ出すと、今度はホテルの向かいでタバコを吸うデンマークの中年紳士あり。歯学関係者ミカエル・ニクヴィストで、こちらは特に瑕疵なし。
 片や、夫君のダルッサン氏、知人から彼女が診てもらう筈の皮膚科医が廃業したことを知って胸騒ぎを覚え、早速パリへ直行すると、早速紳士と運でを組んで談笑する細君の姿に憮然。彼が全く感心してこなかった息子のパントマイムの芸を見てその力を見直したのを手土産に悄然と家へ帰る。
 手伝いの男性が彼を慰める。細君とて本気の浮気(変な言い回し)ではないから予定通りに帰ってくるが、夫君は本人に本音を言えないものだから色々な人々に八つ当たりをする。落ち着くと彼は妻が治療に向くと聞いてきた死海への旅をプレゼントするが、妻は机の中から彼がパリへ出かけた証拠となる美術館の切符とチラシを発見する。二人は死海で大いに楽しむ。

ああ、お話にこんなに紙面を費やしてしまった。
 基本的には愛し合っている壮年夫婦の愛情の機微を微笑ましく描く、まあ小品という言い方が似合うドラマで、僕が気に入ったのは、イザベルが夫君が自分の秘密を知っているということに密かに気付く場面を入れたこと。これにより夫の愛情をきっちり確認できた彼女はイスラエル旅行を満喫するであろう。ストレス性の湿疹らしいから一応治療も兼ねたこの旅で収まるのではないか、という余韻に気持ち良い風が胸を吹きぬけるのである。

こういうお話なら日本でも作られそうだなあ。日本を舞台に翻案するなら、舞台は北海道と東京。細君は樋口可南子で、夫君は佐藤浩市・・・それじゃ「愛を積むひと」だって。考えてみればあの映画の夫婦と同世代だった。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
どの国の夫婦にでも興りそうなお話しをうまくまとめておりますね。
ねこのひげ
2016/07/03 10:07
ねこのひげさん、こんにちは。

イザベル・ユペールは大変な演技派ですけど、本作では軽妙な演技。最近結構お目にかかるダルッサンおじさんもうまいな。
オカピー
2016/07/03 21:32

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