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zoom RSS 映画評「エレファント・ソング」

<<   作成日時 : 2016/06/25 10:19   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年カナダ映画 監督シャルル・ビナメ
ネタバレあり

カナダの注目若手監督グザヴィエ・ドランが出演に専念した心理サスペンスで、彼自身が監督・主演した「トム・アット・ザ・ファーム」に作品の性格は近そうである。

観客に正体の明かされていない事件が精神病院で起こり、院長ブルース・グリーンウッドが理事長に語る様子が外側のお話。以下はその中身。
 院長が精神科医の失踪した理由を彼と最後に会った患者であるドランの話から突き止めようとしている。初老の院長は老眼鏡を持って来るのを忘れた為にカルテを読まずに、直球勝負でこの青年と対峙する。
 看護師長を務める前妻キャサリン・キーナーへの悪口や、次々と繰り出す嘘に翻弄された院長は、真相を教えてもらう三つの条件〔カルテを読まないこと、お礼にチョコレートをくれること、看護師長を外すこと〕を承諾する。しかし、これが病院に長いこと監禁された彼の現状を打破する綿密な計画であり、その背景が声楽家である母親、狩猟家の父親の親としての愛情の決定的な欠如であることが判ってくる。

事件の顛末は言わぬが花であろうから伏せておくことにするが、全てにピントが合った時に一気に納得することができれば、切なさのうちに愉悦感すら感じることができるだろう。

しかし、恐らく作品自体に若干の問題があって、かく言う僕も、集中力を欠き、ピントが合う幾つかの要素をその前段としてきっちり理解するのが阻害されている為、その瞬間にピントが合った感がなかったのである。描く必要があるのか、その理由をじっくり考えなければならない要素が多すぎるのでないか。
 例えば、彼の現在の妻キャリー=アン・モスは何故描かれるのか、何故彼女がダウン症の姪を連れて病院までやって来るのを描く必要があるのか。一つはミステリー的要素として、院長が老眼鏡を忘れてカルテを読まない理由を強調するため。一つは、肉親の愛情に恵まれなかったドラン君の愛情関係を比較強調するため・・・ではないだろうか。
 かくして、よく考えれば解るかもしれないが、考えているうちにパスに乗り遅れてしまう、という次第。

全般がよく理解できればなかなか面白い作品にちがいないが、相当の読解力を持っていないと一回では把握しきれないと思われる。ドラン君絡みの作品にはそんなのが多い。

「マイケル・アット・ザ・ホスピタル」でした。

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エレファント・ソング★★★
『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』などで注目を浴びるカナダの鬼才、グザヴィエ・ドランが主演を務めたスリラー。ある人物が行方不明になった事件の鍵を握る青年と精神科医が対峙(たいじ)し、隠されていた意外な事実が浮き彫りになる。メガホンを取るのは、「合衆国崩壊の日」などのチャールズ・ビナメ。『カポーティ』などのキャサリン・キーナー、『メメント』などのキャリー=アン・モスら、実力派が共演する。息詰まる展開に加え、俳優としても非凡な才能を発揮するグザヴィエの熱演も必見。 あらすじ:謎の失踪... ...続きを見る
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上映時間 100分 製作国 カナダ 原作戯曲 ニコラ・ビヨン 脚本 ニコラ・ビヨン 監督 シャルル・ビナメ 出演 ブルース・グリーンウッド/グザヴィエ・ドラン/キャリー=アン・モス/ギィ・ナドン/コルム・フィオール/キャサリン・キーナー ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あんまり考え込まざるを得ない作品は困りますね。
疲れます。
ねこのひげ
2016/06/26 18:33
ねこのひげさん、こんにちは。

能天気すぎるのも困りますけどね。
おじさんともなると、ヒューマンなのが良くなります。
オカピー
2016/06/26 21:26

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