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zoom RSS 映画評「SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁」

<<   作成日時 : 2016/06/16 09:32   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年イギリス映画 監督ダグラス・マッキノン
ネタバレあり

日本では映画館でも観られたらしい(つい3か月ほど前)が、実は人気TVシリーズ「シャーロック」のスペシャル版。興味はあったものの、TVシリーズは未だ観ていない。本作を見る前に何かで読んで初めて知ったことに、TVシリーズは現在が舞台なのだってね。

本作は、その現在のシャーロック・ホームズ氏(ベネディクト・カンバーバッチ)が、薬による意識下のタイムスリップにより、19世紀後半で活躍するという構成。途中で現在に戻ったり、混乱させられるところがあるものの、総論的理解にはさほど問題はない。

基本的にTVシリーズを観ていたファン向け、ホームズ・ファン向けの作りであるが、小学生時代に学級図書にあったルパン・シリーズとホームズ・シリーズで断然ルパンの贔屓になってホームズをかなり敬遠してきた僕でも、序盤のアフガニスタンから帰還したワトソン博士(マーティン・フリーマン)の挿話やそれを推理するホームズの出会いは「緋色の研究」の引用だなとニヤッとさせられる。
 その後長編は大体読んだものの、短編集は先年「シャーロック・ホームズの冒険」を読んだだけ。本作後半に出てくるオリーブの種はこの短編集のうち「オリーブの種五つ」を使っているのが、すぐに解った。

本作の脚本家たちは、コナン・ドイルの作品群においてホームズ未解決の事件という扱いで出てくる挿話を利用する形で、本編の核となる部分を形成している。以下の如し。

エミリア・リコレッティ(ナターシャ・オキーフ)という新婦が、家の二階から路上に向けて連続発砲し、直後に自らの喉を撃って自殺する。ところが、彼女の遺体が遺体安置所に置かれた監視下、彼女の夫が「エミリア」と呼んだ相手に射殺される事件が目撃され、その後さる貴族がホームズとワトソンが監視している屋敷で見事に同じ女性に殺される。

死んだはずの女性が殺人を起こすトリックとその真相は何かというミステリーで、当時のトピックであった女権拡張論(フェミニズム)とリンクさせているのがなかなか興味深く、序盤に何気なく女権拡張論を出してくるのが上手い。これまた死んだ可能性の高い有名なモリアーティ教授(アンドリュー・スコット)と死んだはずのエミリアをダブらせて進行するのも悪くはないのだろうが、本作単独で判断する限り、少しくどい感じになり痛し痒し。

基本的に事件は解決できたはずなのに、オカルト的な扱いの教授が絡んだ為によく解らなくなり、ホームズたちも未解決という扱いにする。この辺りがどうもすっきりしない。“すっきり未解決”という方法も頭の良い人々が知恵を絞れば出てきたのではないだろうか。

日本のTVミステリーもこれくらいの出来栄えであってほしいね。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
日本では難しいでしょうね。
解決しないと許さないという風潮がありますからね。
ねこのひげ
2016/06/19 16:47
ねこのひげさん、こんにちは。

2時間ミステリーは、現状では、時間つぶしにも見る気になれない。たまには佳作もあるのでしょうけど、いままで佳作に当たったことがない^^;
オカピー
2016/06/19 20:02

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