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zoom RSS 映画評「イロイロ ぬくもりの記憶」

<<   作成日時 : 2016/05/29 09:40   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年シンガポール=日本=台湾=フランス合作映画 監督アンソニー・チェン
ネタバレあり

2013年度カンヌ映画祭カメラ・ドール(新人賞)受賞作。一昨日のアルゼンチン映画も珍しいが、それ以上にシンガポール映画は珍しく、恐らく生涯二作目の鑑賞となる。実際には日本、台湾、フランスとの合作扱いであり、タッチは日本で紹介されている台湾映画を思い出させる。

1997年、シンガポール中流家庭の夫婦(夫チェン・ティエンウェン、妻ヤオ・ヤンヤン)がわがままな息子ジャールー君(コー・ジャールー)の暴れん坊ぶりに手を焼き、フィリピン人の家政婦テリー(アンジェリ・バヤニ)を雇う。最初のうち小学生の息子は彼女を嫌うが、スキンシップを交わすうちに親しみを覚えていく。しかし、それも長続きはせず、経済不況の折に仕事に追われる夫婦の家政が苦しくなり、遂に雇用関係を切った為、彼女はフィリピンに帰国していく。

シンガポールのアンソニー・チェン監督が自らの少年時代を投影したらしいわがまま少年が、曖昧な形ながら確実に成長したことは、かかる優れた映画を残す立派な大人になったことから伺われる。

1997年はアジア通貨危機が起きた年。本作の会話や描写の中でもそこはかとなく触れられていて、一家はそのあおりをくって下流に流されていくわけであり、かかるアジア圏におけるグローバルな人的交流の初期の様相を描出しているところが注目に値するが、観客の心を打つのは、彼らの間に育まれていく人情の機微である。

個人的には、雇い主としてやや高慢な態度を取っていた奥方が飛行場でテリーに口紅を贈る箇所に大いにジーンとさせられた(劇の半ばで彼女が勝手に奥方の口紅を使うところが伏線)。劇の背景の理解などはテキトーに流して、そうした人情を味わえば良いと思う。

イロイロと懐かしい。流行りに流行った“たまごっち”が出て来る。1998年だったろうか、出張した取引先の社長が、シンガポールでは車は自由に買えない(割当制)と言っていたのも思い出した。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
アジアにも新しい力が湧いてきていることを示す映画でありましょうかね。
ねこのひげ
2016/05/29 18:33
ねこのひげさん、こんにちは。

チャンバラはたまに見ると有難味があるのとは対照的に、自然なヒューマン・ドラマは大量に作られても有難味が減らない気がします。
台湾映画や中国映画も一時の勢いがなく、もっと輸入されても良いはずと思いますが、今の若い人は邦画か吹き替え版しか観ないから、困ったことに。
僕らの若い頃は邦画は人気なかったですし、洋画ファンならTVの吹き替えなんて馬鹿にしていたものですが、隔世の感ありですね。
オカピー
2016/05/29 20:34

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