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zoom RSS 映画評「殺人者はバッヂをつけていた」

<<   作成日時 : 2016/05/20 09:18   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
1954年アメリカ映画 監督リチャード・クワイン
ネタバレあり

題名だけは割合よく知られるフィルム・ノワールながら未鑑賞だった。監督が僕が凡監と決めつけているリチャード・クワインであると知ってかなりがっかりしたが、気を取り直して観る。本格ミステリーではないから良いものの、ネタバレな邦題も興醒めさせる。

銀行強盗の一幕がプロローグ。
 場面転じて、映画館から帰ろうとした妙齢美人キム・ノヴァクが車の故障に難儀しているところへ、中年男性フレッド・マクマレーが通りかかって家まで送ることになり、妖艶な彼女にほだされて男女の関係になってしまう。男は実は刑事で、銀行強盗主犯の愛人である女を内偵するために全て仕組んだものである。
 彼を含む警察は、彼女のアパートの前の建物に陣取り犯人が現れるのを待って終日監視することにし、二人ずつのタイム・シフト制を敷き、例えば一人は部屋で見守り一人は女を追尾するといったこともある。
 しかるに、マクマレーが刑事と知った彼女は愛人を殺して大金を二人占めにしようと持ち掛けると彼も承諾、仲間の刑事をうまく騙す算段を立てる。が、好事魔多し、ベテラン刑事アレン・ノースが想定外の行動を取った為に犯人を殺したもののすんなりと着服できなくなる。

素材よろしくなかなか面白い状況設定で、クワインも予想以上にてきぱきと進めているが、フィルム・ノワールらしい陰鬱さが上手く強調できず、どうも平板である。10年前に同じくマクマレーが主演したハードボイルド映画「深夜の告白」(1944年)を監督したビリー・ワイルダー辺りなら物語にうまく陰影をつけてぐっとサスペンスフルに仕上げたであろうと“ないものねだり”をしたくなる。

マクマレーも「深夜の告白」に比較して弱く、男性陣は総じて魅力が薄いが、本作をデビュー作とするキム・ノヴァクは相当良い。彼女のベスト・パフォーマンス「めまい」(1958年)のヒロインのような表情を見せる瞬間もあって彼女が出ている場面は概ね楽しい。彼女の隣室に住む看護婦ドロシー・マローンも例によって目をギョロリとさせながら、終盤意外な活躍をする。

野球用語で言えば、クワイン選手、泳がされながらも芯に充ててシングル・ヒット・・・といったところ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
この映画の場合、ネタバレしていてもよいかな?と思いましたけどね。
キム・ノバック・・・・歳を取ったときのキム・ノバックもあまりの妖艶さに場内がざわついたのを覚えております。
ねこのひげ
2016/05/22 08:19
ねこのひげさん、こんにちは。

「オリエント急行殺人事件」が戦前「十三の刺傷」として翻訳されたことに比べれば問題するに及びませんが、キム・ノヴァクがマクマレーに最初に話を持ち掛けた段階で、その後の展開が分かってしまって興ざめしたのですよ。一応彼がどう動くかはサスペンスですからね。
オカピー
2016/05/22 20:58

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