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zoom RSS 映画評「ジョニー・オクロック」

<<   作成日時 : 2016/05/18 09:58   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
1947年アメリカ映画 監督ロバート・ロッセン
ネタバレあり

WOWOWの未ソフト化フィルム・ノワール特集第一弾。個人的には「オール・ザ・キングス・メン」(1949年)「ハスラー」(1961年)等のロバート・ロッセンの監督デビュー作ということに注目した。

警部リー・J・コッブは刑事のギャンブラー殺しがカジノを共同経営するディック・パウエル(役名がジョニー・オクロック)と関係があると踏んで、捜査を開始する。彼にうまく煙に巻かれるうちに問題の悪徳刑事が運河から死体で発見され、続いて彼の恋人ニナ・フォックがガス自殺する事件が起きる。しかし、これらの事件が却ってコッブにとって事件の見通しを良くした感があり、パウエルを子分と見下す共同経営者トーマス・ゴメスが悪徳刑事を使って繰り広げてきた犯罪の図式がはっきりしてくる。

こうした捜査過程に、自殺ではなく実は殺害されたニナを引き取りに訪れた姉イヴリン・キーズとパウエルの恋模様が大いに絡んでくるお話は、残念ながら余り面白くない。
 戦前ミュージカル映画で溌剌とした歌い手ぶりを見せていたパウエルが戦中に転じたフィルム・ノワールで大いに売り出そうとした一作なのだろうが、どうも彼演ずるオクロックという妙な名前の主人公に魅力が乏しい。全体としてレイモンド・チャンドラー風のハードボイルドな物語において、オクロックは犯罪者側とは言え犯罪を起こしていず、戦後のハードボイルド映画におけるハンフリー・ボガート的なクールなムードを漂わしているが、余りに余裕しゃくしゃくで相棒に命を狙われ官憲に疑われている側としての緊張感に不足している。

ロッセンの演出ぶりには後年の「ハスラー」の迫力はないものの、登場人物が自分のポジション(簡単に言えば高さ、例えば階段の段差)を利用して互いを威圧しようとする二か所ほどの場面の感覚に注目すべきものがある。特に、悪徳刑事とオクロックとが対峙する箇所で、階段の高いほうにいた悪徳刑事が最初強気の口をきき、やがて階段を上ったオクロックがやり返すところなど映画ならでは表現である。
 やけになりかけたパウエル=オクロックがイヴリンの捨て身の演技に折れて降伏する幕切れも感じが出ていて悪くない。

パウエルはその後監督に乗り出し快作「眼下の敵」(1957年)を作る。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あのころの映画は主人公が無敵に見せる傾向があったように思えます。
ハンフリーボガード的なかっこづけも多かったですね。
最近、帽子が流行ってきているようで、みょうにかっこつけた連中が都内を闊歩している姿が見られます。
ねこのひげ
2016/05/22 08:09
ねこのひげさん、こんにちは。

>最近
東京には十何年も行っていませんし、近くの町にも大して出ないので、ピンと来ないのですが、面白い現象ですね。
どこで何が流行するか解らないですなあ^^
オカピー
2016/05/22 20:27

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