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zoom RSS 映画評「アゲイン 28年目の甲子園」

<<   作成日時 : 2016/05/13 09:04   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・大森寿美男
ネタバレあり

かつて年間300試合くらい観戦した野球好きだから、TVドラマであろうが映画であろうが、野球が絡めば必ず見る。野球映画と言えば、アメリカでは断然プロ野球即ち大リーグが扱われることが多いが、日本では甲子園即ち高校野球のほうが多く主題となる。どちらにしても日本ではTV映画を含めて野球映画は案外少ない。

一人暮らしをする40半ばのサラリーマン中井貴一が、“マスターズ甲子園”というプロジェクトでお手伝いをしている大学生・波留から、試合に出てみないかと誘われる。28年前川越学院なる高校で野球部のキャプテンをしていたのだ。
 最初難色を示して彼は彼女がチームメイトの娘と知って色々話を聞くことになり、自分は試合に出ないと宣言しつつ、後輩や当時のエース柳葉敏郎に声を掛ける。後輩はやる気満々だが、無職の柳葉は激怒する。

大げさに言えば一種の謎解き形式により、中井や柳葉が難色を示したわけが小出しに正確に判ってくる展開がなかなか上手い。重松清の原作による部分が多いのではないかと想像するが、今回はメガフォンも担当した大森寿美男の脚色も、卓抜とは言えないまでも、素直にしてかつ効果的に筋を進めている。

さて、その訳とは、彼女の父親が野球部所属時代(太賀)に不祥事を起こして28年前の埼玉県決勝戦に不戦敗したこと。メンバーの大半が心底からは未だに許していないのだ。しかも、その訳自体に当事者しか知らない真相があり、3・11で死んだ本人のいない今、その真相を知るもう一人、当時の女性マネジャー和久井映見の登場によりそれが明らかになっていく。
 一方、離婚した妻に引き取られた、彼女と同世代の娘・門脇麦に誤解されたまま疎遠となっている中井は、彼女と疑似父娘のような思いを通わせ合う。真相を知った今チームも一体化し、遂に埼玉県大会の決勝に進出、28年前の決勝相手校と対決する。

キーワードは「ちゃんと負ける」つまり「不戦敗はしない」ということ。それを人生の様々な局面に広げて、人生応援歌として敷衍的に語っているところが、中年世代を中心に好評を博している要因なのであろう。身に覚えのある僕はしっかり泣きましたよ。
 しかるに、「キネマ旬報」年間ベストの集計において、評論家諸氏は一人も得点を進呈せず、読者諸君の投票でも30位に入っていない不戦敗状態。大衆映画を愛しつつも、やや映画芸術度的に語り採点をすることの多い僕が言うのも何だが、ちと気取りすぎじゃろ。

甲子園が人気なのは愛県精神を発揮できるからなのだ。群馬を離れていた時代も一番応援するのは群馬県代表だった。

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アゲイン 28年目の甲子園 ★★★
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
愛県精神・・・プロ野球で言えば、広島人気と同じでしょうね。大リーグもそうですが。
ねこのひげ
2016/05/15 06:47
ねこのひげさん、こんにちは。

日本のプロ野球は、うまく分散していませんから、そういう応援形態ができないんですよね。
北関東にいるとジャイアンツ戦しか見られませんから、通常はジャイアンツ・ファンになる。最近は事情が少し変わってはいますけどね。
オカピー
2016/05/15 17:42

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