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zoom RSS 映画評「イニシエーション・ラブ」

<<   作成日時 : 2016/05/10 09:43   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2015年日本映画 監督・堤幸彦
ネタバレあり

乾くるみというミステリー作家の同名小説を堤幸彦が映画化した恋愛映画。
 最後について“観ていない人に教えるな”と文字で注意書きが出るので、どんでん返しがあることは解る。恋愛映画でどんでん返しは珍しいなあと思うが、原作は一種のミステリーであるわけだ。

小太りで風采冴えない理系大学生・鈴木夕樹(森田甘路)が初めて誘われた合コンで、美少女・成岡繭子(前田敦子)と何故か意気投合し、彼女の勧めにより変身街道をまっしぐらに進む。
 やがて地元静岡の企業に就職した変身完了後の彼(松田翔太)は東京本社に転勤となり、遠距離恋愛に邁進するが、彼女が妊娠したことと彼が同僚美人・石丸美弥子(木村文乃)と懇ろになったことで遂に破局する。

というお話のアウトラインだけでは三文恋愛映画で、実際就職後の恋愛模様には相当退屈させられたのだが、本作に価値があるとすれば、叙述トリックにより成り立っている作品という点に尽きる。その叙述トリックにあざとさがないとは言えないが、しかし、いとも簡単に我々は思い込みに縛られてしまう。そこに注目したのはなかなか頭が良い。

劇場公開から1年近く経っているとは言え、さすがに最後について述べるのはエチケットに反するので伏せるとして、大きなヒントを一つだけ示しておきましょう。
 名前である。繭子が鈴木君が別の女性の名前で思わず呼びかけたことから彼の浮気を知るという展開こそがヒントである。但し、そのヒントは観ている最中は全くヒントにならない。
 これとてルール違反かもしれないが、それを言ったら“どんでん返しがある”と言った瞬間にルール違反になるわけで、本作の注意書き自体がルール違反である。ということで、よろしくお願い致します。

映画としては、その叙述トリックにどの程度びっくりするか、あるいはその伏線の張り方にどの程度感心できるかで評価が定まるだろう。びっくり度は一人称小説故に成り立った小説「アクロイド殺人事件」で味わったもの(あくまで当時の感覚)に遠く届かないが、伏線の張り方はなかなか微に入り細を穿って面白い。

舞台設定は1980年代後半くらいらしく、その時代近辺に流行った流行歌のインド映画風の使い方が愉快。個人的には、小椋佳の「揺れるまなざし」(最近偶然にもよく聴いていた)と太田裕美の「木綿のハンカチーフ」には相当ニヤリとさせられた。他に寺尾聡「ルビーの指輪」、オフコース「Yes-No」など。

びっくりは忘れた頃にやって来る。

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イニシエーション・ラブ
愛の相対性理論って 公式サイト。乾くるみ原作、堤幸彦監督。松田翔太、前田敦子、木村文乃、亜蘭澄司、三浦貴大、前野朋哉、木梨憲武、手塚理美、片岡鶴太郎。1980年代を舞台 ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2016/05/10 10:17
『イニシエーション・ラブ』
□作品オフィシャルサイト 「イニシエーション・ラブ」□監督 堤 幸彦□脚本 井上テテ□原作 乾くるみ□キャスト 松田翔太、前田敦子、木村文乃、三浦貴大、前野朋哉■鑑賞日 5月24日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想> ... ...続きを見る
京の昼寝〜♪
2016/05/10 18:50
イニシエーション・ラブ ★★★.5
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パピとママ映画のblog
2016/05/10 19:24
イニシエーション・ラブ
なんと、監督は堤幸彦だったんですね。 ...続きを見る
のほほん便り
2016/05/13 15:43

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
繭から・・・というかさなぎから蝶が生まれるというわけでありますな〜
蛾だったりして・・・(≧◇≦)
ねこのひげ
2016/05/15 06:58
ねこのひげさん、こんにちは。

>繭
ヒロインの名前はそれ故かあ。
オカピー
2016/05/15 17:24

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