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zoom RSS 映画評「シンドバッド七回目の冒険」

<<   作成日時 : 2016/04/27 09:34   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1958年アメリカ映画 監督ネーサン・ジュラン
ネタバレあり

特撮監督レイ・ハリーハウゼンのフィルモグラフィーを紐解くと、この作品あたりから彼が事実上の監督となったのではないかと想像される。製作補となり、「アラビアン・ナイト(千夜一夜物語)」から頂戴して原案を案出し、「アルゴ探検隊の大冒険」(1963年)の原型となる骸骨兵士も出てくるからだ。
 ただ、本作が公開された1958年当時、ハリーハウゼンが認識されることはなかったようで、次に劇場公開される「アルゴ探検隊」により初めてハリーハウゼンその人に映画マニアが注目したと思われる。
 因みに、公開時の邦題は「シンバッド七回目の航海」だった。

船乗りシンドバッドは、小学生の時に子供向け「千夜一夜物語」を読んだ時にその名前を覚えた。7回の航海のうち巨鳥ロック(ロク)が強い恐怖感をもってとりわけ強く記憶に残ったが、嬉しいことに本作にはそのロックが出てくる。

シンドバッド(カーウィン・マシューズ)は某国のお姫様パリサ(キャスリン・グラント)を連れてバクダッドへ帰るが、同行してきた魔術師(トリン・サッチャー)は一つ目の巨人から逃れる時に島に残してきてしまった魔法のランプを取り返すために画策、姫を15cmくらいに縮める。元に戻すためには巨人のいる島にいる巨鳥ロックの卵の殻が必要とシンドバッドに言い、彼らは死刑囚を集めて旅に出ることになる。

一つ目の巨人は最初と中盤に出て来て、ゴジラくらいしか大きな怪物が見られなかった当時の観客を楽しませたことだろう。ダイナメーション(ストップモーション撮影とスクリーン・プロセスとの超絶技巧的な合作)により怪物と人間が交わる場面での自然さが光る。勿論CGのようなわけにはいかないが、CGでは「鉄腕アトム」でアトムが空を飛ぶのを見ても誰も驚かないように、感動は少ない。絵と違ってダイナメーション、SFX(CGはVFX)には限界があるが故に想像力に訴え感動を増幅するのである。ロックの場面も同様。

クライマックスは日本の怪獣映画もびっくりの一つ目と巨竜との対決で、日本のそれは大概着ぐるみだが、こちらは人形のコマ撮りだから動きは劣るものの大いなるお楽しみを提供する。その前の骸骨兵士は単体だけで「アルゴ探検隊」よりスムーズに動き、これがSFX映画として本作のハイライトであろう。一つ目巨人(サイクロプス)は、ギリシャ神話からの拝借で、この辺りのテキトーさがいかにもアメリカ映画。

注目すべきは、大きなものだけでなく小さなものも要素に加えたことで、そのお姫様が小さくなったことを悲観せずに小ささを利用して活躍するのが明朗で大変ヨロシイ。

膨大な大人版「千夜一夜物語」を全巻揃えたけれど、確か全部は読んでいない。長すぎて飽きてしまいました。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ストップモーションはギクシャクしているところが御愛嬌ですね。
子供ころ買ってもらったシンドバットの絵本を大人になって観てみたら川端康成さんが翻訳していてビックリでした。
本当かな?と疑りましたけどね。
ねこのひげ
2016/05/01 17:01
ねこのひげさん、こんにちは。

結構有名な作家が童話の翻訳などしていることがありますね。
川端氏はラングの童話なんか訳しているみたいです。
オカピー
2016/05/01 20:43

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