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zoom RSS 映画評「パレードへようこそ」

<<   作成日時 : 2016/04/13 09:47   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2014年イギリス映画 監督マシュー・ウォーチャス
ネタバレあり

LGBTという言葉を聞いて、僕の理解は間違っていたのかと思う今日この頃。
 1970年代男の同性愛者をホモ、女性のそれをレズと言っていたのを、80年頃から性差別であるからとゲイという言葉に置き換えられて統一された(ように理解した)。実際映画からホモは完全に消え、レズも余り聞かれなくなった。
 しかるに、LGBTというのはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーを指す。ということは、昔通りに男女が分れている。尤も、性的マイノリティーの範囲においてトランスジェンダーとの対立概念として男女を分ける必要があるのだろう。だったらホモを復活させてよ(笑)。本作でも活躍するグループはLGを名乗っている。ホモとレズに置換してゲイを用いるようにしたのは当事者ではなく、外郭の人権主義者たちだったのかもしれない。

1984年英国、不況の為サッチャー政権が全英20か所の炭鉱を閉鎖することに決めたことに対し、全国炭鉱労働組合が対抗すべくストライキに入る。
 ホモの若者ベン・シュネッツァーは、彼らの為に義援金を送ってストライキをバックアップし、それに乗じて自分たちの権利拡張の果たそうと、LGSM(炭鉱夫支援をするレズビアンとゲイの会)という組織を立ち上げる。が、炭鉱のあるような場所は保守的なところが多いので、ゲイ(同性愛者)というだけで支援を断れてしまう。
 ウェールズのある炭鉱町の委員会だけが彼らの申し出を受ける。委員代表ドミニク・ウェストやおばちゃんイメルダ・スタウントンら過半数の住民は彼らを素直に迎え入れ、交流する間に深い友情が育っていく。ここでも何割かの住民が抵抗、その画策で彼らの支援も中座、労働組合全体もストライキを止めてしまう。
 LGSMの活動は完敗と思われたところ、翌年のLGパレードに各町の炭鉱夫たちが彼らに加わる。

というところまでが画面で扱われるが、その後炭鉱夫のパワーが議会を動かしてゲイの権利を認める法律が整備される、と字幕で補完されてジ・エンド。正に【情けは人の為ならず】を地で行く、【事実は小説よりも奇なり】のお話である。尤もLGSMは最初からそれを見込んでいたところはあるのだが、それでもいざ始めてみれば自分たちの権利のことより炭鉱夫支援を優先しているように見えるから、満更外れでもないだろう。

英国の炭鉱は、D・H・ローレンス「息子と恋人」など小説や映画でよく扱われてきたが、1980年代以降転んでもただでは起きない英国庶民のしたたかさを前面に出した実話ものが目立つ。その中でも本作は、蔑まれ嫌われてきた同性愛者からの視点を加えて、決定的な面白さを持つ作品に仕上げられた一編と言うべきで、同性愛者たち以上に、炭鉱夫やその奥方たちの性格描写が秀逸。
 マシュー・ウォーチャスという監督の進行ぶりも現在の作品としては素直な部類で好感が持てる。その代わり、映画技術的に面白いとは言い難く、☆★は抑えてしまったのだが。

極端な左派が余りに権利を主張し、その反発で極端な右派が「権利より国益」と叫ぶ。その狭間で他人に思いを馳せない国民が増え、権利・自由が阻害される本末転倒。それでどちらにも与(くみ)しない一般国民が潜在的に(本人が意識しないまま)窮屈な思いをしている。それが日本の現状だろう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
重箱の隅を楊枝でほじくるようにネチネチと・・・いい加減にウザイ!
ねこのひげ
2016/04/17 12:00
ねこのひげさん、こんにちは。

本当に面倒くさいのですよ。
もっと反論する気力もないです。
オカピー
2016/04/17 21:43

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