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zoom RSS 映画評「オキュラス/怨霊鏡」

<<   作成日時 : 2016/03/04 08:56   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2013年アメリカ映画 監督マイク・フラナガン
ネタバレあり

ゾンビものはノー・サンキュー、吸血鬼ものはクラシックなもの以外はノー・サンキュー、POVものは退屈千万なのでノー・サンキューなどと言っているうちにすっかりホラー映画に縁が遠くなった。僕のせいではない、似たようなものばかり作る世界の映画人が悪いのだ(笑)。そんな中本作は、何だかよく解らないものの、鏡が恐怖を巻き起こすのは珍しいと思い観ることにした。

母親(ケイティー・サッコフ)を殺した父親(ロリー・コクレイン)を射殺したかどで入院していた精神病院からめでたく退院した若者ティム(ブレントン・スウェイツ)を姉のケイリー(カレン・ギラン)が迎え、両親と暮らしていた家で彼女が魔力を発揮すると信じている鏡の能力を証明する実験を開始する。実験の目的は弟の無実を証明すること。退院したての弟は“姉の言う魔力による一連の事件は全て幻覚である”と心理学的に考えるが、実験が進むと姉の言うように植物が枯れ、父母の霊に襲われ、認めざるを得なくなる。

この姉弟に関する限り即ち我々が観る範囲ではオカルト・ハウスもののヴァリエーションであるが、18世紀半ばまで辿れるという一連の事件について言えば鏡と一緒に恐怖が移動するので浮遊霊と同じ扱いになる。

映画として面白いのは、実験の進行とともに、似たシチュエーションにおいて二人が経験した悲惨な過去と実験する現在とをマッチ・カット的に往来する趣向で、単なる回想を超えて相互が密接にリンクするよう奔放に処理されているところに新味がある。
 姉(オカルト=現実)VS弟(科学=幻覚)という図式で暫し続くのも興味深く、終わってみればやはりオカルトなのだろうという印象を残すものの、それでも我々が観る惨事が鏡の魔力による現実なのか彼の幻覚なのか必ずしも判然としない、という扱いのうちに終わるのが想像力をかきたてられて良い。低予算映画、プログラム・ピクチャーの類としては健闘の部類でしょ。

子供時代のケイリーを演じたアナリース・バッソ、ティムを演じたギャレット・ライアンは、共に、青年時代を演じた俳優とまるで似ていない。

実験道具の錨(いかり)に関しては、エドガー・アラン・ポーの「振子と陥穽」を思い出させる。映画化作品「恐怖の振子」(1961年)も懐かしい。

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オキュラス/怨霊鏡
【概略】 引っ越した新居で父親が妻を殺害し、父親も銃で撃たれ死亡する事件が起こる。11年後、残された姉弟は、事件が鏡の魔力によることを証明し、鏡を葬り去ることを決意するが…。 ホラー ...続きを見る
いやいやえん
2016/03/04 14:01
15-024「オキュラス 怨霊鏡」(アメリカ)
これは現実ではない、鏡の仕業だ  新居に引っ越したばかりの幸せな4人家族に、ある日凄惨な事件が起きる。父親が妻を拷問して殺害。さらに父親も銃で撃たれて死亡した。2人の子どもは救出されたが、10才の弟は父親を殺害した容疑で精神病院に入る。  そして11年後。弟ティムは退院し、懐かしい姉ケイリーが出迎えて再会を祝う。長い治療を経たティムは、ようやく過去を乗り越えて新しい人生を始めようとしていた。  一方、ケイリーにはある目的があった。それは、鏡が魔力を持ち、忌まわしい事件の原因が鏡にある... ...続きを見る
CINECHANが観た映画について
2016/03/06 01:29

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
『恐怖の振り子』は怖かったですね。
錨にしたのが新味なんでしょうが・・・・
まあね?という映画でありました。
次を作れるのかな?
ねこのひげ
2016/03/06 15:18
ねこのひげさん、こんにちは。

昨今恐怖映画が二匹目のどじょうを狙った作品ばかりの中、ロー・コスト感が見え見えながら、創意工夫はある部類でした。
☆☆★ながら嬉しかった。
オカピー
2016/03/06 19:44

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