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zoom RSS 映画評「13F」

<<   作成日時 : 2016/03/26 10:26   >>

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☆☆☆★(7点/10点満点中)
1999年アメリカ=ドイツ合作映画 監督ジョゼフ・ラスナック
ネタバレあり

SF映画史を紐解くと1990年代から2000年代初めは仮想現実の時代であった。その後タイム・スリップやタイム・ループものと呼ばれる作品に取って代わられる。本作はその最中に流行を追って作られていたようであるが、ダニエル・F・ガロイの原作「模造世界」は1960年代半ばに発表されているので、かなり先見の明があったと言うべし。

現代のアインシュタインと仲間内で呼ばれる科学者フラー(アーミン・ミューラー=スタール)が何者かに殺される。部下ホール(クレイグ・ビアーコ)の前に、娘を名乗るジェイン・フラー(グレッチェン・モル)と、同時に刑事マクベイン(デニス・ベイスハート)が現れ、彼を疑っていると告げる。彼自身全くその自覚はないが、前後の記憶が覚束ない為、現在彼らが開発中の仮想現実空間製造装置を使って、ボスが殺されるヒントを自ら残してきたと思われる1937年の仮想空間に彼は入っていく。

この映画の面白さは、開発グループがメンバーたちをベースに作った個体に自らの意識を投入するという具体性にある。その間に限り個体はメンバーその人として行動することになり、その代わり戻るタイミングを逸すると本人に個体の意識が入ってしまう危険性があり、これがサスペンスとして効果を大いに発揮、ホールが事情を探るミステリー趣味もなかなか上質で、かなり楽しめる。
 いずれにしても、その間について個体の記憶がないことになる。勘の良い人なら、これをホールの記憶のないことと結び付け、本作の狙いやその後の展開を見通してしまうはずだが、それでもここからミステリー趣味からハードSF的な趣向へと一足飛びに進む印象があって極めてスリリングだ。

主人公は僕だった」(2006年)同様に、被創造者が自分がそれと認識し、創造主を意識するところが大変面白く、これは我々凡人が神に思いに馳せる哲学的思惟に通ずるものであり、哲学SFとして観ることができる。誠に興味深い。大衆的に作られているが、本来は本格SFファン向けの内容だろう。

【発掘良品】と言いながらかつての人気作・話題作が多い中、これは正に【発掘良品】じゃろう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
あっ!前記事のコメントで間違えました。
『エイプリル・フール』ではなく『エイプリルフールズ』でありました。
タイムスリップ出来るなら戻って修正して知らん顔しているところでありますがね。(*_*;
仮想現実・・・今日NHKのEテレで午後11時30分からある『サイエンスZERO』で仮想現実について取り上げます。
現在どのくらいまで進化しているのでしょうか、楽しみであります(^^♪
ねこのひげ
2016/03/27 08:04
ねこのひげさん、こんにちは。

>タイムスリップ
あはは。
そんなことが出来たら良いですよねえ。

>仮想現実
録画して後で観ます。最近は寝るのが早いもので^^
オカピー
2016/03/27 20:26

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