プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「さよならは言わないで」

<<   作成日時 : 2016/03/18 08:48   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 2

☆☆☆★(7点/10点満点中)
1986年イスラエル=アメリカ合作映画 監督モーシェ・ミズラヒ
ネタバレあり

恐らく二度と見られないのではないかと思うフランス映画の秀作「これからの人生」(1977年)を放ったモーシェ・ミズラヒ監督が自国イスラエルで作ったロマンスの佳品である。

第二次大戦中のエルサレム、英軍に従軍しているアメリカ人トム・ハンクスが負傷から回復した後、戦友のユダヤ人女性との結婚話につき合ううちに知り合ったユダヤ美人クリスティナ・マーシラックと恋仲になるが、ユダヤ教的道徳観に縛られて交際を認めない家族に隠れてしのび逢いを続ける。
 しかし、異教同士なので結婚まではとても覚束ないと悟った彼女は、婚約者を自認する十歳年上の従兄と結婚することを決め、三日間の休暇を利用して出征先のエジプトからヒッチハイクで苦労惨憺の末戻って来た彼を大いにがっかりさせる。
 父親から「彼と付き合うことは家族を捨てることだよ」と諭された彼女は、自分の心を偽れなくなりエジプトへ戻る途上の彼の許に駆けつける。

というお話は、大衆的なロマンスであると同時に、戦友の異教徒同士の結婚に際して立ち塞がる宗教の壁をきめ細かく描いたドラマでもある。ハッピーエンドが非常に爽やか、二十歳頃「これからの人生」の叙情性に大いに感心したミズラヒらしい感覚がやはり素晴らしい。

ヒロインの彼女を巡る周囲の立場。
 数名いる兄のうち一人は完全に彼女の味方である。祖母は傍観者的に黙っているが反対はしていない様子。反対の急先鋒は母親である。
 そんな中父親の言葉にじーんとさせられた。父親は一見彼女の交際に反対しているようだが、実は逆で、上に記した言葉により「家族を捨てても彼の許に行くべきだ」と反語的に諭したのである。ヒロインは、誕生以来20年ほどの付き合いから優しき父の逆説に気付いて背中を押されるように彼の許へ直行する。そういう流れである。お若い方々、父親の心意気にお気づきになりましたかな? 

もう一つ面白かったのは、彼女が結婚すると知って絶望の余り主人公が怒ること。これがあの時代の平均的な日本人なら悄然とするところだろう。昨今の日本人についてはそうでない人も多いようだが。

ハンクスは軽妙な好演。それ以上にヒロインを演じたクリスティナ・マーシラックが良かった。本作が佳編と思えた理由の一つには彼女の爽やかさがある。

1970年にスウェーデン美人ピア・デゲルマルク(若い人は全くご存じない)主演で作られた作品の邦題は「さよなら言わないで」。誠にややこしい。だから、本作を見落としたのかな?

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
これだけ大量にあると見落としたり忘れることも多々ありますな。
月曜日の深夜というか火曜日の早朝御前159分から『シャイン』があります。
最近、地上波でも映画が復活してきてくれたのはうれしいかぎりですが、寝不足になります。
ねこのひげ
2016/03/20 13:27
ねこのひげさん、こんにちは。

いやあ、全く。
40歳くらいまでは悉く記憶しておりましたが、最近はダメですね。

>地上波
というか民放は、吹き替えが多いのが難点。
衛星放送くらい字幕でやれよという感じですが、映画館でも吹き替え版が上映される時代ですから、仕方がありません。
オカピー
2016/03/20 20:08

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「さよならは言わないで」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる