プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]

アクセスカウンタ

zoom RSS 映画評「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」

<<   作成日時 : 2016/02/07 09:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 3 / コメント 2

☆☆★(5点/10点満点中)
2014年アメリカ映画 監督サム・テイラー=ジョンスン
ネタバレあり

E・L・ジェームズという作家の同名小説をサム・テイラー=ジョンスンが映画化した官能恋愛映画。監督はサムだけどサマンサの省略で女性らしい。原作者ジェームズも本名エリカ・ミッチェルといって女性。脚本ケリー・マーセルも女性。従って、官能と言っても文学趣味である。

まずは梗概。

卒業を控えた女子大生ダコタ・ジョンスンが友人の代わりにインタビューに出かけた通信会社の若きCEOジェイミー・ドーナンに惹かれる。
 彼も同様らしいが、彼から持ち掛けられた付き合いの内容に彼女はびっくりする。会社の中にある特殊な部屋で、拘束・鞭打ちを受ける契約を結んでくれと言うのである。娼婦の子として生まれ疎の死後現在の親に引き取られた彼は、親の知人(ヒロインにミセス・ロビンソンと綽名をつけられる!)に鞭打ちプレイを強要された結果まともな恋愛感情を持てないとのこと。現在は加虐の立場である。
 彼女も処女の強みを発揮して彼の性向を修正しようと契約締結を伸ばし伸ばしにするが、結局は互いの感情を共有できないまま別れを迎える。

40年ほど前話題になった「エマニエル夫人」(1974年)を作ったジュスト・ジャカンは翌年ポーリン・レアージュの有名サドマゾ小説「O嬢の物語」を映画化している。その両者を併せて純ポルノ的な要素を幾分か取り去り、少々変わったアングルで恋愛論を綴ってみたといったところ。
 ヒロインがO嬢みたいにすぐにマゾヒズムに目覚めてしまえば恋愛論はテーマとして打ち出せないわけで、彼女が自分の恋を成就すべく支配されるどころか逆に相手を操縦しようとしているように見えるところが純文学愛好者としては面白く観られた。但し、構図としては甘く、大衆小説・大衆映画の域を出ない。

原作には続編もあり、映画も追って作られることが決定済み。中途半端な印象が強いためかアメリカでの評価は、評判の芳しくない日本以上に低評価。それでもヒットはした(IMDbの投票数20万を超えている!)ので、続編は間違いなく作られる。

ダコタ・ジョンスンはメラニー・グリフィスの娘で、母親の真似をしてフィルモグラフィー初期の段階で大胆なヌードを披露したという感じ。

僕は痛め付けるのも痛め付けられるのも嫌いなのでそう詳しくないが、性倒錯に関しては、伝統的に、大御所マルキ・ド・サドやマゾッホを生んだ欧米では肉体的苦痛が、日本では精神的苦痛が好まれているらしい(但し、あくまで比較の問題)。こういう文化格差は面白い。

タイトルは「グレイの50の顔」の意味。続編で残りの顔も見えて来るのかな? シェイド(諧調)という単語を使っているから、グレイには灰色の意味もあるかもしれない。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
巨大ブラックホールが出現するSFM映画 公式サイト。原題:Fifty Shades of Grey。E・L・ジェイムズ原作、サム・テイラー=ジョンソン監督。ジェイミー・ドーナン、ダコタ・ジョンソン、ジ ... ...続きを見る
佐藤秀の徒然幻視録
2016/02/07 09:50
フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ
【概略】 身も心も絶対服従を求める大富豪・グレイの歪んだ愛情表現に女子大生のアナが翻弄されていく。 ラブロマンス ...続きを見る
いやいやえん
2016/02/07 10:44
映画評「毛皮のヴィーナス」
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 2013年フランス=ポーランド合作映画 監督ロマン・ポランスキー ネタバレあり ...続きを見る
プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]
2016/04/06 17:34

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
日本のSM界の巨匠団鬼六さんに会ったことがありますが、SMの巨匠というより貫禄ある小説家にしか見えませんでした。
ねこのひげはSMには興味ありませんでしたが、どんな人かは興味があったので友人の編集者が会いに行くというのでついていってみたのです。
ねこのひげ
2016/02/07 10:59
ねこのひげさん、こんにちは。

>団鬼六
交流の広さに驚き!
団氏は、確か純文学を目指していたのではないですか?
どんなものか試しに読んだことがありますが、文章は上手く品格がありますね。
オカピー
2016/02/07 20:16

コメントする help

ニックネーム
URL(任意)
本 文
映画評「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」 プロフェッサー・オカピーの部屋[別館]/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる