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zoom RSS 映画評「泣く男」

<<   作成日時 : 2016/02/24 09:48   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年韓国映画 監督イ・ジョンボム
ネタバレあり

レオン」(1994年)の韓国ヴァリエーション「アジョシ」がなかなか楽しめたイ・ジョンボムのバイオレンス・アクション。

少年時代アメリカの中国マフィアに拾われて子飼いにされ優秀な殺し屋になった韓国人チャン・ドンゴンが、資金洗浄の情報を誰かに流した韓国人を殺した時誤ってその娘(カン・ジウ)まで殺してしまう。後日上層部に、情報を保持する可能性のある一人であるその元妻キム・ミニを殺して情報を奪い返すよう命じられるが、彼女の娘を思う心情にアメリカへ行く前後の母親の記憶が蘇り同調、仲間の襲撃から彼女を守ることになる。

一人の男が「アジョシ」で母親を殺された娘を守る立場を娘を殺された母親を守る立場に変えただけで、「イ監督些か引き出しが小さいわい」と思わされるが、この監督の長所として、韓国製の大衆映画にありながらドタバタ的お笑いを一切導入しないことを挙げておきたい
 韓国大衆映画は悲劇でもシリアスものでも、特に前半においてギャグ要素を利用するので僕は呆れて二年くらい前から余り観なくなった。韓国大衆映画の他の監督がこの監督に倣ってくれればもっと観ても良いと思うのだが、そういう作り方は韓国の観衆に受けないのだろう、なかなか追随者が出て来ない。

さて、バイオレンスやアクションの描写も迫力――昔風に言えばパンチ――がある。しかし、後半人物関係が入り乱れるために前作ほど手に汗を握らせてくれない。悪党グループの一枚岩でないので、女性と殺し屋と悪党一味の三つのカットバックで済まずに、そこに余分な要素が入ってきて散漫になってしまうのである。「ダイ・ハード」のようにもっとシンプルな構図にしてより純度の高い緊張感を維持すべきであった

ただ、主人公の母親への思いにジーンとさせられ、捨てがたいものがある。最後の銭湯場面で明かされる母親の優しさを考えると、中盤の鬼のような母親の態度は一種の親心だったのだろう。
 但し、個人的には、母親との銭湯場面を途中に入れ、その代わり、守って来た“母親たる”女性に抱かれて(自殺する前の母親に泣くことを禁じられた)チャン・ドンゴンが泣きながら死んでいくといった幕切れにした方が設定が生かされかつ映画的で、感銘が深まったように思う。

ジョン・G・アヴィルドセンが「ロッキー」で有名になったおかげで急遽公開されることになった無名時代のポルノ映画の邦題が「泣く女」。オールド・ファンならご存じじゃろ。

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泣く男 ★★★
『アジョシ』などのイ・ジョンボム監督が、『ブラザーフッド』などの韓国を代表するスター、チャン・ドンゴンを主演に迎えた衝撃のアクションドラマ。クールな殺し屋が少女の命を奪ったことをきっかけに、次第に人間的な感情に目覚めていく悲痛な葛藤を本格的アクションと... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2016/02/24 22:42
「泣く男」
どういえばいいのか…。色んな意味でたいして面白くなかった。感想が1〜2行で終わるのもナンなので、たいして面白くない「色んな」を紐解いてみた。?アメリカ・韓国・ロシア…色々な国と組織(たぶん)が出てくるが掘りが浅いので消化不良。韓国側のボス以外は何を生業としているか不明。?同様に誰と誰が仲良しで誰と誰が敵なのか、パズルの理解はできるけど背景が浅いのでもやもや。従って裏切りの衝撃度が低い。?悪役の大物感はもとより小物感もない。悪役が平準化している。?冒頭の殺しの現場となったあのクラブが酷い。安っぽさ... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2016/02/26 17:16

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
御存じでありますよ(^o^)/
スルベスター・スタローンがアカデミー賞の助演男優賞にノミネートされているとか・・・時代は移りゆきますな〜
ねこのひげ
2016/02/28 15:45
ねこのひげさん、こんにちは。

さすがにご存じでありましたか\(^o^)/

>助演男優賞
まあ60代ですから当然な年齢なのですけど、スタローンのようなタイプでは何だかしっくり来ないというか。
演技力は評価してきましたので、それ自体は「我が意を得たり」です。
オカピー
2016/02/28 19:09

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