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zoom RSS 一年遅れのベスト10〜2015年私的ベスト10発表〜

<<   作成日時 : 2016/01/15 10:18   >>

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 群馬の山奥に住み、体調も万全とは行かず、WOWOWを中心にした映画鑑賞生活ですので、僕の2015年私的ベスト10は皆様の2014年にほぼ相当する計算でございます。
 スタンスとして初鑑賞なら新旧問わず何でも入れることにしていますが、今年も昨年同様新作・準新作のみということにしましょう。

 2015年鑑賞本数は367本、再鑑賞は45本でした。従って、本稿対象となる初鑑賞作品に関しては322本で、例年より20本がところ少ない。しかし、年初の予想に反し、鑑賞本数は2014年度より10本増え、初鑑賞作品数は21本も増えました。一時よりは大幅に少ないものの、2014年のような大事故も体調不良もなかった為にこういう結果になったと思います。再鑑賞作品が減ったのは自分でも意外です。再鑑賞したい作品に限って長い作品が多いのが理由かもしれません。

 2016年も、昨年に引き続き事件・事故・病気もなしに愉快に映画を楽しめる年となりますように。

 それでは、参りましょう。


1位・・・鑑定士と顔のない依頼人
真贋を通奏低音に随所に散りばめ、ミステリー趣味を織り交ぜた娯楽作品。ジュゼッペ・トルナトーレの話術の巧みさに惚れ惚れしましたね。昨今の批評家はメッセージ性や社会性ばかりを注視しがちで、映画的に上手い映画が過小評価されているから、当方反骨精神を示して堂々の1位に推す次第。

2位・・・風立ちぬ
こちらの通奏低音は風。実在した人物の人生と、堀辰雄の二小説とを合体させて巧みに再構築した辺りに、「ピーター・パン」の進化形として「となりのトトロ」を、「不思議の国のアリス」のヴァリエーションとして「千と千尋の神隠し」を創作した宮崎駿の真価が発揮されていると言えましょう。現在の力量を考えれば(長編アニメ)引退は早いと思います。

3位・・・プリズナーズ
全体の底上げには程遠いものの、昨年からアメリカ映画が復調し、今年もベスト10の半分以上に絡みました。尤も、本作監督のドニ・ヴィルヌーヴはカナダ出身と記憶していますが。
 世相を反映してアメリカでは誘拐を絡めた映画を大量に作られていますが、本作は重厚感で圧巻でしたね。理解不足による酷評もあるものの、勿論取るに足りず。

4位・・・ゴーン・ガール
もはや大御所と言って良いデーヴィッド・フィンチャーのサスペンス。しかし、お話が進むにつれてブラック・コメディー化し、終盤は半分ヒヤヒヤしながら半分笑いながら観るという状態に。ブラック・コメディーであることを把握できないと、正鵠を射ない批評をすることになります。

5位・・・ある過去の行方
イラン人監督アスガー・ファルハディが、この調子で作品を作り続ければ、我がベスト10の常連になる可能性が高い。お話の求心力が高く、語り口も巧み。敢えて難を言えば、結論を観客任せにする点ですが、それでも無責任な任せ方ではなく、余韻となるのが良いですね。

6位・・・アクト・オブ・キリング
なるべくドキュメンタリーは別枠で扱いたいと思いつつ、インドネシアの政治的暗黒時代を取り上げた本作の迫力には抗し切れませんでした。

7位・・・ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅
アレクサンダー・ペインらしくロード・ムービーですが、モノクロのロード・ムービーというだけで我が琴線を打つ。ご贔屓ブルース・ダーンの出演もプラス。父と子か。弱いねえ、こういうのに。

8位・・・ラッシュ/プライドと友情
今年は有名監督がベスト10占領ということで、こちらは俳優上がりのロン・ハワードの作品。段々腕前を上げてきて、近年は安定した語りで見やすく面白い映画を提供していますね。レースが好き(だった)ということもあり、大いに楽しみました。

9位・・・ブルー・ジャスミン
毎年一本撮るウッディー・アレンのシリアス劇。ご本人が出演しない時は(一見)シリアスになると相場が決まっているアレンですが、「欲望という名の電車」から本歌取りした本作には可笑し味も大量に隠されていて苦笑いを洩らさざるを得ないという寸法。話術、音楽の使い方、上手いデス。

10位・・・ジャッジ 裁かれる判事
ベストに選んだ10本のうち8本が6月までの鑑賞。後半に入ってかなり尻すぼみでしたが、年末に観た本作は親子の愛憎模様と裁判劇とを巧みに絡ませた作劇で大いに堪能させてくれました。良いアメリカ映画の見本。年を取って来たから、本作のようなオーソドックスな作品を観る方が精神衛生上良いのであります。


次点・・・メイジーの瞳
可哀想なのは子供のようで、実は大人になり切れない親の方でした、というのが恐らく本作本当の物語。最近日本で耳目を賑わしている3歳女児殺しの親もその類。子供が子供を育てられるわけがありませんよ。


画像



ワースト・・・ダリオ・アルジェントのドラキュラ
デジタル撮影による画面がまるでダメ。画面が命のアルジェントから良い画面を取ったら何が残る? ブラム・ストーカーの映画化なら「吸血鬼ドラキュラ」(1958年)を観るべし。


****適当に選んだ各部門賞****
監督賞・・・ジュゼッペ・トルナトーレ〜「鑑定士と顔のない依頼人」
男優賞・・・カイル・キャトレット〜「天才スピヴェット」   
女優賞・・・安藤サクラ〜「0.5ミリ」「百円の恋
脚本賞・・・ジュゼッペ・トルナトーレ「鑑定士と顔のない依頼人」
撮影賞・・・アンドレアス・シナノス〜「エレニの帰郷
音楽賞・・・ボブ・ゴーディオ(ザ・フォー・シーズンズのメンバー)〜「ジャージー・ボーイズ」(既成曲だけなのでまあ
       反則ですが、今年は例外としましょう。)
特別賞・・・宮崎駿(“長編映画引退は惜しいで賞”を進呈致します。)

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コメント(4件)

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良く見とられます。見逃したのが難点も・・・録画しても埋没したのもあります。
娯楽作品に走りすぎかな?

宮崎駿・・・黒澤明みたいにそのうちまた作りそうな気がします。
ねこのひげ
2016/01/17 15:02
ねこのひげさん、こんにちは。

幅広くは観ていますけれど、今年の秀作はアメリカ映画が多く、結構娯楽的な作品が目立ちました。
若い頃は観ていない古典が多く、しかも観るのが大変でしたけど、今は大方観てしまっており、来るべき新しい作品に期待するしかないのですが、“映画的な映画”を求めると、なかなか「これは」というものがないですねえ。

宮崎駿監督にかんしてはそうなると良いですねえ。
オカピー
2016/01/17 20:27
 ベスト10のうち、7作品までがプロフェッサートとかぶりました。過去数年で、もっとも多くの作品が一致した記念すべき年であります(笑)(そのほかはインサイド・ルーウィン・デイヴィス 名も無き男の歌」などが、10位以内に入りました)
上位5作品は、文句なしでしたね!
ネブラスカとブルー・ジャスミンも、差のないところでした。
傑出した作品はないものの、例年以上に粒はそろっていたと思います。



 2015年は、「アンジェリカの微笑み」『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などが僕のベスト10に入っております・・。
浅野佑都
2016/01/18 01:41
浅野佑都さん、こんにちは。

>7作品までが
それは凄い。
親友同士と言われた淀川さんと双葉さんでもせいぜい3〜4本でしたからね。そもそもお二人のスタンスは大分違って、淀川さんは感覚、双葉さんは理論でした。二人とも映画をどう見るかに関する僕の師匠ですが、“理論”の方が解りやすく真似しやすいので双葉さんの後を追ってきたわけです。

おっと、お話がそれましたね。

今年は欧州の力作が少なくなったからでしょうか。多少一般的となったようです。
浅野さんの仰る、「傑出した作品はないものの、例年以上に粒はそろっていた」ということとほぼ同じ意味ではないかと思います。

>僕のベスト10
二作品の題名、頭に入れておきますね。
多分本年中に見られると思いますので、来年の「一年遅れのベスト10」をお楽しみに!

そちら、雪の具合はいかがですか。
こちら山の麓なのでかなり積もり、先ほどまで3時間ほど雪かきをしていました。明日、出かけられるかなあ(スタッドレスもない、買い替えた車に合うチェーンもない)。
オカピー
2016/01/18 19:21

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