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zoom RSS 映画評「暮れ逢い」

<<   作成日時 : 2015/12/03 09:28   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年フランス=ベルギー合作映画 監督パトリス・ルコント
ネタバレあり

「暮れ逢い」とは何とも気取った造語(?)だが、「グランド・ブダペスト・ホテル」の原案及び作家のモデルとなったオーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクの小説をパトリス・ルコントが映像化した“恋愛心理映画”である。

1912年ドイツ、理系の若者リチャード・マッデンが、アラン・リックマンが経営する金属関係の会社に就職、彼に気に入られて、自宅療養中の彼からの情報を伝えかつ彼に工場の情報をもたらす秘書に起用され、魅力的な若い妻レベッカ・ホールの覚えめでたきを狙ったか、自ら進んで7歳の息子(トビー・マレー)の家庭教師にもなる。かくして若者と若妻の思慕は密かに募っていく。

アウトライン的にはこういうお話であるが、二人の思慕の交錯以上に、彼らの様子を伺うリックマンが先の長くない自分に代わってすぐにでも妻を彼と結び付けたいと思いつつ嫉妬に苦しむ葛藤の心理を、観客にも殆ど気付かせない程度に、見せるのが眼目と見た。
 マッデン青年がメキシコに赴任を言い渡された時雇い主に洩らす「追放」の言葉が正しかったことは後でリックマンの告白から判明する。これがハイライトであろう。

勿論彼がメキシコ支社の代表として赴任した後第1次大戦による音信不通でレベッカが不在の苦痛に苛まれるシークエンスとその後の展開における叙情的な描写が文芸ファンの心を掴む可能性はあるものの、恋愛ではなく恋愛心理を描く作品としてはリックマンを中心に見た方が興味深いと思う次第である。従って、古典的な構成及びムード醸成は上等ながら、恋愛の変遷を描く恋愛映画として見るとそう楽しめるとは言えない。

まだ力を持つ前のナチスの一群が主人公たちの横をすれ違うのが不気味。

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暮れ逢い ★★★.5
『髪結いの亭主』などのフランスの名匠パトリス・ルコントが、孤独を抱えた若妻と夫の秘書である青年との純愛とめまぐるしい運命を描いた甘美な恋愛ドラマ。ヒロインが夫の秘書である青年と惹(ひ)かれ合いながらも、引き裂かれ、戦争によって翻弄(ほんろう)されていく... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2015/12/03 14:23

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
私も、この映画を観ました。その際、フリドリック(リチャード・マッデン)とロット(レベッカ・ホール)のドキドキするようなやり取りが物語の軸だと思って観たので、オカピーさんのように、カール(アラン・リックマン)の葛藤を軸とする捉え方は、非常に新鮮に感じられました。言われてみれば、フリドリックとロットの出会いのきっかけを作ったのはカールなので、カールの物語なのかもしれませんね。
Kanako
URL
2015/12/03 16:26
Kanakoさん、こんにちは。

長い映画鑑賞歴の勘から、時間的にはほんの僅かに過ぎないリックマン氏の様子を軸に見た方が二人の心理が浮き彫りになり、面白く観られるように思った次第です。
お粗末な見識ですが、ご興味を持たれたら幸いです<(_ _)>
オカピー
2015/12/03 19:13
リックマンが操って二人を近づけたんでしょうね。
ナチス・・・第二次大戦を予感させますね。
言葉少なく文学的な映画ですね。
ねこのひげ
2015/12/06 17:10
ねこのひげさん、こんにちは。

宮本百合子の大長編自伝的小説「道標」において、1920年代ナチスが実権を握る前に既にファシズムの空気をドイツ社会を覆っているという表現に遭遇して、ナチスがなくてもそうだったのかと吃驚しました。ドイツや日本は国家教というのがあるらしく、そうなりやすいのでしょうね。
 彼女は帰国後共産主義者になりますが、必ずしも共産主義者のファシズムへの悪口ではありますまい。
オカピー
2015/12/06 18:21

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