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zoom RSS 映画評「ジョーカー・ゲーム」

<<   作成日時 : 2015/12/13 09:42   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年日本映画 監督・入江悠
ネタバレあり

柳広司のスパイ・サスペンス小説を、「SRサイタマノラッパー」で映画マニアに知られることになった入江悠が映画化したスパイ・アクション。

今年まとめて全5作を観た戦争スパイ・シリーズ「陸軍中野学校」から相当拝借しているのではないだろうか。かのシリーズでは市川雷蔵扮する主人公の本名は三好次郎(スパイ名は椎名次郎)。本作で亀梨和也扮する主人公の偽名は嘉藤次郎で、三好(小出恵介)という登場人物もいる。偶然にしては出来すぎである。

軍法会議で死刑になるところをD機関というスパイ組織を運営する陸軍中佐結城(伊勢谷友介)に救われて嘉藤次郎という偽名を与えられた主人公は、ユダヤ人の開発した新型爆弾(伏せられているが勿論原爆)の製造方法を記した“ブラックノート”がアメリカに渡される前に奪う使命を帯びて同僚と共に中国の架空の租界に飛ぶ。「陸軍中野学校」では主人公はカード賭博が好きな英国大使に取り入ったが、こちらで取り入るのはチェスの好きな米国大使である。この辺りまでは「陸軍中野学校」のリメイクみたいな感じに推移する。

その邸宅で働いている中国人メイド・リン(深田恭子)に惚れこんでしまった主人公は何とか彼女を大使による性地獄から救い出そうとするが、やがて彼女は日本人のスパイである正体を現す。日本人のスパイであって、日本のスパイではない。しかし、どこの為に働いているかは結局解らず、本作の敵である英国軍に嘉藤と共にリンチを受け、やがて嘉藤と協力し合って英国諜報部の建物から脱出しようと試み、派手なアクションを繰り広げることになる。

原作は知らず、この映画版はスパイ側がひどく感情的で、この手の作品としては大衆迎合的である。まず組織のモットーが“死なず、殺さず”と「るろうに剣心」のもじりの如し。或いは主人公は薄幸のふりをしていたリン(本名は失念)にころりと騙されてしまう。お国の為に婚約者すら殺す三好次郎のドライさとは何という違いであろう。虫歯になりそうなくらい大甘。
 さらに、本作には反権力的、自由主義的な思想が満載で、単なる架空ではなくパラレル・ワールドの世界が舞台のような印象を受ける。

パラレル・ワールドと言えば、亀梨和也の眉毛の為に全く80年近く前の日本男性の気分が出ず、序盤から乗れない。本作最大の難点は彼の眉毛と言って過言にあらず(笑)。

二人が脱出を試みる辺りから映画は華美な方向へ走って行き、最終的に「ルパン3世」と化す。主人公はルパン3世、リンは峰不二子。取り巻きがいて、英国情報部がしつこく追いかけて来るのはそのものである。あらら。

入江悠監督、カット割りなど頑張っているが、お話の完成度が今一つなのはお気の毒でした。

「陸軍中野学校」は全部で五本作られたが、本作はいかに

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
髪の毛の長い軍人や警官が出てくると、日本映画も滅びるのは近いな〜と思わざるをえません。
この小説も首を傾げる内容でありましたけどね。
ねこのひげ
2015/12/13 11:26
ねこのひげさん、こんにちは。

>髪の毛の長い軍人

「ローレライ」のロン毛の軍人には吃驚しました。サラリーマン程度の長髪なら海軍にはいましたけど、肩より長いロン毛は問題外と思ったものですよ。
そういう精神的土台があるようなら、ああいう国を挙げた戦争などするはずがない、と苦笑しました。
オカピー
2015/12/13 14:01

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