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zoom RSS 映画評「喰女−クイメ−」

<<   作成日時 : 2015/09/04 11:19   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2013年日本映画 監督・三池崇史
ネタバレあり

映画なり舞台なりに主演する男女優を巡って芝居と現実が交錯していくという構想は、ジュールス・ダッシンの「女の叫び」(1979年)など比較的よくあるが、決定的作品はわが邦の「Wの悲劇」(1984年)である。本作は正にその「四谷怪談」版であるから、前作のミステリー仕立てと違って、ホラー仕立てとなっている。監督は残虐描写お得意の三池崇史。

舞台で“お岩さん”を演ずる人気女優・後藤美雪(柴咲コウ)は、伊右衛門を演ずる長谷川浩介(市川海老蔵)と同棲しているが、彼は共演者の若手女優(中西美帆)と懇ろになるなど恋人を蔑ろにする。彼の子供を宿していた美雪は自分で堕胎して彼の愛情を取り戻そうとするが果たせず、その恨みは舞台上の浩介にまで及んでいく。

こちらの解釈を加えないと後半はよく解らない。三分の二くらい進行したところでヒロインは殺されたと思いきや、逆に彼が不慮の首チョンパ事故で死んだ後芝居に参加、楽屋でその頭をいじっているところでジ・エンド。ここをどう解釈するか。
 僕は、この物語は或るところから美雪の“平凡な家庭生活の希求”という見えざる圧力が浩介に見させた白昼夢になっている、と見る。一見そう思われる美雪とお岩さんの恨みの交錯・混合ではなく、寧ろ浩介が美雪の圧力に頭を掻き回されるお話なのではないだろうか、恐怖に駆られた伊右衛門が幽霊(幻影)を見るように・・・。舞台でお岩の亡霊に伊右衛門が首を斬られるのは現実の浩介が鉄板に首を切断された瞬間であるのは、間違いないだろう。恐らく彼が芝居小屋前にある工事現場で車を停車させたところから彼の夢幻は始まったと僕は考えるが、如何? 舞台下が妙に無機質なのは、あるいは、全て彼の幻想だからなのかもしれない。

上映時間の三分の二位を占める舞台場面がなかなか迫力があるのに対して、“現実”場面が物足りない。尤も、本当は“現実”でない可能性があるが。

先月は「噛む女」も観ました(本作鑑賞は8月)。誰か「飲む女」も作って。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
三池監督の作品は、エンドがグチャグチャでわけが分からなくなるのが多いですね。
なんだろうね〜この人は・・・?と思いますです。
ねこのひげ
2015/09/06 11:15
ねこのひげさん、こんにちは。

>三池監督
とにかく多作ですが、暴力指向(嗜好か)が強いのは確かでしょうね。
オカピー
2015/09/06 18:40

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