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zoom RSS 映画評「シャーロック・ホームズの冒険」(1970年)

<<   作成日時 : 2015/09/03 09:29   >>

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☆☆☆☆(8点/10点満点中)
1970年イギリス映画 監督ビリー・ワイルダー
ネタバレあり

シャーロック・ホームズの贋作で一番好きな映画作品は「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」(1976年)で、ビリー・ワイルダーが洒脱に作り上げた本作がそれに次ぐ。最初に観たのはTVであるが、映画館でも観ている。今回は3回目か4回目になる。

本作で一番評判が悪いのは、ワトスン(コリン・ブレイクリー)と一緒に行ったバレエ観劇の後ロシアの年増プリマドンナに「種を植えろ」と迫られたホームズ(ロバート・スティーヴンズ)がデタラメを言ったことから同性愛騒動が起こるシークエンスの冗長な印象だろうが、もう少し短くても良いと思いつつも、これがあるが故に、この後の本番でホームズの真の恋愛観が浮き彫りにされることになる本格冒険部分の味わいが増すのである。のんびり具合も実はそう悪くない。クラシックな素材なのだから妙にスピード感があると却って興が殺がれる。以下、本番の冒険談。

ワトスンとホームズが間借りしている家に、運河に落ちたベルギー美人ジュヌヴィエーヴ・パージェが舞い込む。翌日記憶をしかと呼び戻した彼女から技師の夫の行方を捜すように依頼されたホームズは、夫からの手紙の中継所になっている倉庫で発見したカナリヤを発端に手掛かりを手繰り寄せ、残されていた新聞から突き止めたスコットランドへ赴くと、「ネス湖の恐竜」にまつわる国家的陰謀に突き当たる。

製作当時まだまだ大いに騒がれていたネス湖の恐竜をネタにしたのは面白いが、そこで明かされる事実自体はもう一つひねりが足りない。他方、ご本家のホームズが全般的に女気なしで物足りず、少年時代の僕はロマンティスト故に専らルパンに読みふける次第となったわけだが、この贋作はその点に関して実に上手く作っていて気に入っている。翻弄されることになるジュヌヴィエーヴ演ずるドイツ人女スパイに惹かれていたホームズが真実を知った時にそこはかとなく漂わす悲哀が良く、二度と会うことのない彼女が「また会いましょう」と信号を送る最後の味に断然痺れてしまうのである。

シャーロックの兄であるマイクロフトにクリストファー・リーが扮して活躍するのも楽しい。

原作にも同名の短編集があるし、TVシリーズもあるので混乱する。現に“Yahoo!映画”の本作のレビュー欄にTVシリーズのコメントが載っていた。そそっかしいにも程があるが、紛らわしい邦題であることも確か。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
クリストファー・リーが出てきたときは思わず拍手でありましたね。
ねこのひげ
2015/09/06 11:20
ねこのひげさん、こんにちは。

シャーロック役のロバート・スティーヴンズの化粧が濃く、こちらもドラキュラのように見えなくもなかったのがご愛嬌でした。
オカピー
2015/09/06 18:36

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