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zoom RSS 映画評「タンゴ・リブレ 君を想う」

<<   作成日時 : 2015/09/16 09:15   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
2012年フランス=ベルギー=ルクセンブルグ合作映画 監督フレデリック・フォンテーヌ
ネタバレあり

我が邦の「Shall We ダンス?」(1996年)やフランス映画「愛されるために、ここにいる」(2005年)のようにダンスが取り持つ縁から始まるお話で、監督は「ポルノグラフィックな関係」(1999年)以来久しぶりに見る(日本ではこの二作のみ紹介)フレデリック・フォンテーヌ。

一人暮らしの看守フランソワ・ダミアンは、僅かに楽しみを見出しているタンゴのレッスンで恋心を覚えた美人アンヌ・パウリスヴィックが刑務所の面会室で夫セルジ・ロペスと会っているのを目撃する。
 夫はタンゴのことを知って嫉妬するが、ここから暫く解らない展開が続く。彼女は思春期の息子ザカリー・チャセリオ君を父親ロペスに会わせ、彼女自身は別の男性ジャン・アムネッケルと会っているのである。むむ、解らん。
 この四人の関係は中盤を過ぎて、ロペスが息子に告白して初めて解る。つまり、アムネッケルが彼と付き合う前に彼女と親しくしていた恋人で、息子の父親は実は彼である、と。
 思春期の息子は母親の奔放な性遍歴にいたく傷つき、拳銃を振り回す抗議行動を起こす。二人を自宅まで追いかけたダミアン氏は騒動を収めようと二人を刑務所から脱獄させ、結局自分も同じ車の上の人となる。

ロペスの発言がきっかけで突然湧き起る刑務所のタンゴ・ブームが面白いが、作者の狙いはどうもここではなく、最後の一幕らしい。「女性は娼婦」を地で行くフランス的コケットのヒロインを愛する三人の男性が呉越同舟ならぬ同車する可笑し味である。
 お互いの信用の基に初めて成り立つ特殊な関係は我が邦の近作「オー!ファーザー」にも似ているが、作者の洒落っ気が全く足りない為にその寓話性が上手く醸成されず、刑務所や警察の関係者が全く追ってこないなど「ありえないでしょ」と言いたくなってくるのがまずい。それを言わせないのが監督の腕前である。わが少年・青春時代に活躍した監督フィリップ・ド・ブロカ辺りならもっと上手く作りそうな気がするが、残念でした。

票数こそ少ないものの、我が邦でなかなか好評。

「ショーシャンクの空に」(1994年)同様最後に脱走させると評価が上がるらしい。

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聞いたか読んだか、まずはサル山のサルの「雌」争奪戦。 最後に勝利するは見目麗しい(恐らく人間の見るところの) 若い雌ではなく、毛艶もさほど良くない普通以下のそれも 人間界 ... ...続きを見る
映画と暮らす、日々に暮らす。
2015/09/16 13:52

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
脱出ものはなぜか受けますね。
権力に対する反感を反映しているのかもしれませんね。
凶悪犯は脱走して欲しくないですがね。
ねこのひげ
2015/09/20 19:02
ねこのひげさん、こんにちは。

爽快感があるからでしょうね(注:凶悪犯は除く)。
オカピー
2015/09/20 20:35

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