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zoom RSS 映画評「わたしは生きていける」

<<   作成日時 : 2015/09/11 09:06   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年イギリス映画 監督ケヴィン・マクドナルド
ネタバレあり

メグ・ローゾフという女性作家のヤング・アダルト小説をケヴィン・マクドナルドが映画化した近未来映画だが、これらの小説群のお決まり通り若者のロマンスをモチーフにしていながら意外に甘さがない。

自分を産んだ時に母親を失い父親ともうまく行かず、実は弱い内面をパンクの外装で防御しているシアーシャ・ローナンが、母親の姉が住んでいる英国の郊外の家にホームステイにやって来る。親しみやすく接触してくる従兄弟三人に次第に心を開き、長男ジョージ・マッケイ君を思慕し合う仲になるが、その時ロンドンを核爆弾が襲う。
 犯人と思われるテロリストに対する政府軍が取った男女を分かつ政策により、シアーシャは年少の従妹ハーリー・バードと一緒に或る一軒家に疎開することになる。テロリストの攻撃がそこにまで及び始めると、家を出て森を彷徨し、約束通りにマッケイ君が戻っていると信じる元の家を目指す。

ケヴィン・マクドナルドは肩掛け・手持ちカメラに拘りすぎ、時に映画言語的におかしなことになるので余り信用していないのだが、本作のように一見インディ映画の体裁の作品では余り気にならない。結論から言うと割合気に入ったのである。☆☆☆であるからその気に入り具合もそう大そうなものではないわけだが、戦争が絡んでいるのにどこか牧歌的であり、それが時に幻想的にも感じられるのが“当たり前”でなくて良いと思ったのだ。

左脳的に考えるとこの戦争自体に解らないことが多すぎて問題が多いが、本作における戦争は少女が傷つくことが嫌がって殻に閉じこもる為に設けたルールから自身を解放させていく過程と結果を描く為に用意された環境設定に過ぎないから、実はどうでも良いのである。だから、現実的な悲惨な場面がある為その牧歌的性格を徹底できていない恨みがあるのが弱いものの、まあ、余りにそれを徹底すると実験映画になってしまうので、ナイーブな少年(と書くと少女は省かれると若い人は思うだろうが、少年・中年・老年の少年であるから性別は関係ない)たちに観させるにはこれくらいで丁度良いのかもしれない。
 映画サイトの解説などには第3次世界大戦と書かれている。しかし、核を使ったテロ攻撃にしか見えず、出て来る敵は英国人ばかりで「新政府云々」と言っているから内戦っぽい。

核は国同士の関係では抑止力になって来たが、相手が(特にイスラム系)テロリストではならない。怖いですね。

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わたしは生きていける★★★.5
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いずれ、ニューヨークかロスアンゼルスで核の花が開くことでありましょう。
東京もありかな?
ねこのひげ
2015/09/13 06:07
ねこのひげさん、こんにちは。

>核
核は平和利用しても、核のゴミ等の問題があって、大変なものを生み出しましたよね、人類は。

>東京
アメリカにほいほいついて中近東で何かやらかしたら確率が一気に増えますね。
これまでは平和的な活動だったので、ビンラディンが脅しても庶民の日本人に対する感情は全く悪くならなかったようですが。
オカピー
2015/09/13 20:05

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