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zoom RSS 映画評「大いなる勇者」

<<   作成日時 : 2015/08/05 07:27   >>

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☆☆☆☆★(9点/10点満点中)
1972年アメリカ映画 監督シドニー・ポラック
ネタバレあり

駆け出し映画ファンだった頃に観て以来40年ぶりの鑑賞となる。ロバート・レッドフォード主演映画からお気に入り5本選べと言われれば必ず入れたい名作である。3本でも入るかもしれない。
 今年に入ってからずっと見たいと思い町の図書館(地元“山の図書館”には3年も行っていない)のサイトでチェックしたらDVD・ビデオ共にあったので、DVDで観ようと思っているうちにNHKで放映されると知って「ならば待とう」と万全を期して観たのであった。それはちと大袈裟だが、やはり良い。

米墨戦争で世俗を疎むようになった青年レッドフォードがロッキー山脈に入り猟師を目指す。まずグリズリー狩りの得意な老人ウィル・ギアの荒っぽい実戦修業に始まり、好戦的なインディアン部族クロウ族に子供たちを殺されて狂った女性から口を利かない息子(ジョシュ・アルビー)を押しつけられ、インディアンに体全部を生き埋めにされた男ステファン・ギアラーシュと付き合ううちに、平和的なフラットヘッド族に気に入られて“白鳥”と呼ばれるその娘(デル・ポルトン)を妻に迎えることになり、白樺に囲まれた平地で疑似家族生活を始める。擬似とは言ったものの、女性は正真正銘の“妻”ではあるし、孤独を好みかけた青年の生き方に多大な影響を与えた本物の家族でもある。
 だから、彼が雪道に孤立した人々を助ける為に家を離れた間に二人がクロウ族に殺されるや怒り心頭に発し、復讐に立ち上がる。やっつけてもやっつけても別のクロウ族が一人ずつ倒しに現れる。が、いつしか彼は無敵の白人としてインディアンからも尊敬される伝説的人物となる。

後半アクションは少し出て来るが、アクション映画ではなく、映像詩と言いたくなるほど詩情たっぷりの人間ドラマである。1990年にケヴィン・コストナーが作ることになる「ダンス・ウィズ・ウルブズ」と切り口面で通底する作品であるが、人生哲学的な印象から黒澤明監督のソ連映画「デルス・ウザーラ」(1975年)を思い出させるものもある。個人的には黒澤作品を先に思い出した。

孤独を求める人間といえどもやはり他人の愛情は生きる糧になる。孤独と共同生活の良さ・悪さの両面を夫々知った彼はそのことにより精神的に一段と強くなる。しがらみにも孤独にも負けない心境に達する。それが彼のサバイバル能力をも高めていく。
 敢えて本作からメッセージ的なものを抽出すればそんなところであろうが、この映画にそういうものを求めるのは僕には野暮のような気がする。

「ダンス・ウィズ・ウルヴズ」も久しぶりに見てみたいが、ちと長い。

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大いなる勇者
(1972/シドニー・ポラック監督/ロバート・レッドフォード、ステファン・ギラシュ、アリン・アン・マクレリー、ウィル・ギア、マット・クラーク) ...続きを見る
テアトル十瑠
2015/08/05 18:32

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
南北戦争後の話と思ってましたが、米墨戦争でしたか。
ま、どっちにしても戦争体験から世俗と離れて生きようと決心した男が主人公の、一種哲学的な雰囲気のある映画でしたね。
続編が見たいと、40年前に思ったように覚えています。
ジョンソンのその後、みたいな。
野暮ですかね。
十瑠
2015/08/05 18:54
十瑠さん、こんにちは。

>米墨戦争
南北戦争より10年ほど前のことなので、風俗的には殆ど変わらないですね。
ご言及の通り、戦争が主人公をして世俗から離反させるという意味では全く同じです。

人間の生きることを詩的に捉えて感銘的でした。だから、理詰めに考えて観なくても好いのではないかと思いましたが、続編があったらそれはそれで興味深く、必ず観るでしょう^^
オカピー
2015/08/05 22:02
古い映画でもこれと同じ設定の映画があったのですが、題名を忘れてしまいましたが・・・・
あの時代、西部ではには似たような事が多くあったようです。
ねこのひげ
2015/08/09 08:06
ねこのひげさん、こんにちは。

あったかもしれませんが、僕も思い出せません。

アメリカのライフル協会はこの時代におけるインディアン襲撃の恐怖を未だに引きずっているのでしょうねえ。銃がなければ殺人が減るのは解りきっているのに、屁理屈をこねまわす。
オカピー
2015/08/09 09:56

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