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zoom RSS 映画評「ゼロ・ファイター 大空戦」

<<   作成日時 : 2015/08/18 10:10   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
1966年日本映画 監督・森谷司郎
ネタバレあり

落雷でノートパソコンが壊れ、まともに動くパソコンがないので、映画評を書きにくい状況が続いている(注:予想外に早く直り、本稿は修理されたパソコンで推敲している)。映画サイトへは容易に行けぬし、鑑賞データを書き込むExcelも使えない状態につき、なるべく、手抜きをしても許される作品や旧作で済まそうとしている。終日高校野球に付き合っているので、上映時間が短い作品も選択肢に入りやすい。

ということで、WOWOWが連日放映している日本の戦争映画の中でも92分と一番上映時間の短いこの東宝作品を観ることにした。「日本沈没」(1973年)以降大作御用達の監督になる森谷司郎の初メガフォン作。「日本沈没」と同じ年に「放課後」なんて可愛い作品も作っているのがご愛嬌であります。因みに、「放課後」は井上陽水の二曲「夢の中へ」「いつのまにか少女は」が使われ、この作品により僕は彼を知った。

1944年、日本が山本五十六長官を失い制空権を完全にアメリカに奪われた頃、ブーゲンビル島の日本軍基地に中尉の加山雄三が赴任してくる。坊ちゃん風の様相に、佐藤允を筆頭に部隊の古参兵たちは信用を置かないが、繰り出す作戦の的確さに徐々に見る目が変わってくる。
 敵軍に解読されてしまった古い暗号を利用した陽動作戦の後、彼はガダルカナルにある米軍電探(レーダー)基地を破壊する為に、スコールの中を重い爆弾を装備して移動する奇襲作戦を案出する。スコールのないところで4機を斥候的に繰り出し、その間隙をついてスコールの中から現れた彼が爆弾を投下するのだ。作戦は見事に成功するが、彼自身は帰らぬ人となる。

というお話で、序盤の戦争コメディー風のタッチは、正に【若大将シリーズ】そのもの。反戦・厭戦というよりは最近の日本製戦争映画に似てヒロイズムが醸成されている作品であるから、軽いコメディー・タッチは必ずしも悪くないとは言え、やはりトーンの一貫という意味では余り感心しない。
 ただ、本作も戦後作られた作品だけのことはある。主人公が比較的個人主義者なのである。個人主義者だから兵隊の命を大事にする。根性で戦争は勝てないし、無駄死には避けるべきと言う。アメリカ人のような合理的な考え方であり、戦力をみすみす減らす日本の根性論は国力的にマイナスであったのではないかと、僕も少年時代からずっと思っている。

本作で特によく出てくるのが空中での会話。実際できるものだろうか? ジェット機ほど五月蠅くないから可? 戦闘中のよそ見も気になった。

東宝映画につき、円谷英二が特撮監督として腕を奮っていて、こちらが恐らく眼目。本物に見まごうと言えば嘘になるが、さすがの出来栄えと言って良い。美術班の作ったゼロ戦も立派。

(特に日本の)軍隊は碌なところではないらしいが、邦画で時に見られる、古参兵が上官をいじめる場面は、ある意味痛快だなあ。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 ノートパソコンの復活、早くてよかったですね!
わが群馬県は、雷雨が夏の名物ですから、パソコンに限らず電気製品には気を使いますね・・。

、森谷司郎監督は、「赤頭巾ちゃん気をつけて」が最初に観た作品でして、「放課後」は、マークレスターの「卒業旅行」と一緒に日比谷で従妹と観ました。
主演の栗田博ひろみが可愛かったです(笑)

>「放課後」は井上陽水の二曲「夢の中へ」「いつのまにか少女は」が使われ、この作品により僕は彼を知った。

ぼくも、まったく同じですね。星勝のアレンジも素晴らしく、どちらも名曲だと・・。

>空中での会話
日本海軍の戦闘機に備えられた無線は性能が悪く雑音も多かったようなので、初期の零戦は、エンジンの排気管が、機体下部にあり、割合静かで、編隊飛行で近い距離なら、大声で連絡を取り合えたかもですが、やはり、ボディランゲージが多かったはずですね。

>戦力をみすみす減らす日本の根性論は国力的にマイナスであったのではないかと、僕も少年時代からずっと思っている。

根性論は上から強制されたもので、それに反発を感じている国民も多かったはずですからね!

特攻が、(日本軍人を怒らすと何をするかわからないという意味で)抑止力になったかといえば、難しいですね・・。

アメリカ軍が、ノルマンディならぬ、九十九里浜上陸作戦を決行し、本土決戦になった場合の自軍の被害を過大評価していたことが、原爆投下につながったともいえますし・・。

国民の多くは、空襲や耐乏生活に疲弊していましたし、「日本のいちばん長い日」みたいな一部の軍の抵抗はあっても、以外とあっさり降伏した可能性も高いのではないでしょうか?
国民の戦後の変わり身の早さを見ても・・。
なんといっても、庶民には目の前の生活がすべてなのは当然ですからね。
浅野佑都
2015/08/19 22:46
浅野佑都さん、こんにちは。

>ノートパソコン
修理代が買った時より高かったですが^^;
おかげさまで早く直りました。
遠方で雷鳴が響き始めたので、そろそろコードを抜こうかなと思った矢先でした。突然やって来たんですね。
「これからは遠方でも音がしたら即切るべし」と肝に銘じましたよ。

>「放課後」
当方は、高崎の東宝(洒落かな)で同じく「卒業旅行」と一緒に観ました。お目当ては人気のマーク・レスターでしたが、映画的には「放課後」が上だったかも。

>根性論
根性論とは少し違う話ですが、「捕虜になるな」は1930年代に始まったようです。日露戦争の頃は大量に捕虜になっていたことを示す記録があるんですね。
兵隊はともかく、それで死んでいった沖縄の一般市民は無念だったでしょう。

>特攻・・・抑止力
最初はびっくりしたでしょうが、影響は限定的だったと思います。
先日のNHKの戦争特番で、日記に「アメリカ人は根性なしなので、すぐに退散するかと思ったら、全然違った」と書いている日本の兵士が紹介されていました。正に「硫黄島からの手紙」でイーストウッドが描いたそのままです。

>目の前の生活
正に。食べて生きるのに精一杯ですよ。
オカピー
2015/08/20 21:47
特攻よりアメリカ本土爆撃のほうが効果があったようで、映画『1941』に描かれたように潜水艦からの砲撃で全米がパニックになり、心臓麻痺で死んだ老人が2名。カルフォルニアから逃げ出した人が続出したそうでありますからね。
ねこのひげ
2015/08/23 17:30
ねこのひげさん、こんにちは。

>アメリカ本土爆撃
数日前に観た映画でも、「9・11は真珠湾攻撃を除いてアメリカ初の本土襲撃」という台詞があり、アメリカ人に残した影響力の大きさを物語っているように感じました。
オカピー
2015/08/23 20:33

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