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zoom RSS 映画評「ザ・スパイダースの大進撃」

<<   作成日時 : 2015/07/10 08:27   >>

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☆☆(4点/10点満点中)
1968年日本映画 監督・中平康
ネタバレあり

ビートルズ主演第二作「HELP!四人はアイドル」(1965年)に影響された作品ということ、しかも監督がご贔屓・中平康なので相当期待して観たのだが、残念ながら上出来とは言いかねる。前述作の出来の良さが際立ってしまった。

大映のマークがダイヤに変わり(「HELP!」を観ていたらニヤニヤすること請け合い)、さらにダイヤが太陽に変わるマッチ・カット処理は中平監督らしい面白さ。しかし、結局嬉しいのはこの序盤だけに終わる。

高価なダイヤをタンバリンにはめ込んで密輸しようと画策する真理アンヌの一味が、公演先の海外でタンバリンを買ったザ・スパイダースの堺正章を追いかける。他方、秘密書類をアタッシェケースに入れて持ち帰ろうとしていた悪党が中味が違っているのに気付き、どうもこれまたスパイダースの田辺昭知のケースと空港で取り違えたと踏んで子分に取り返しを命じた為、スパイダースの面々が色々と危ない目に遭う。

堺正章のタンバリンがリンゴ・スターの指輪に相当するわけだが、さらに書類の入ったアタッシェケースという第二のアイテムを加え、二つの悪党グループが互いに違うものを狙っているのに勘違いして殺し合いに発展するという捻りを加えたところまでは良いものの、スマートさが足りず一向にブラックなユーモアが醸成されない。この辺りの扱いが面白ければ、小回りの利く中平監督なら上手く処理してビートルズ第二作に接近したと思う。

また、この二つのアイテムをマクガフィン(意味がありそうで意味のない、物語を回転させる代替え可能なキー・アイテム。但し、意味がありそうに思わせ、それを作者が無視する時に面白さや効果が発揮される。この概念を解っていない映画ファンが説明不足と指摘することが多いが、それが確実なマクガフィンである時には非常に野暮な指摘ということになる)として機能させようとした試みにも注目したいが、アタッシェケースはまだしもタンバリンは余りに“そのもの”なのでマクガフィンの効果は中途半端。
 そもそも僕ら観客はタンバリンは堺正章一人が買ったものと思っていると、井上順も持っていたらしく犯人こちらを最初に奪う(映画サイトのストーリー紹介ではタンバリンは全員が買ったことになっているが、全員が買ったのは全員お揃いの日本製の時計である)。この辺りは脚本段階での見せ方がまずく、首をひねることになる。
 英国一流の諧謔を観た後ではウィットやシニカルさが足りず、お笑いも低調と言わざるを得ない。

グループ・サウンズ時代スパイダースの曲は割合好きだったが、それでもビートルズと比べると楽曲の面で落ちるのは仕方がない。他に、ヴィレッジ・シンガースが二曲を披露し、テンプターズの「ノー・ノー・ノー」も聴ける。

グループ・サウンズ大全集という6枚組のCDを買ったデス。オックスのファンの失神騒動が当時騒がれたものだが、映画や記録フィルムを観るとビートルズのファンも相当すさまじい。あれなら失神者も出るわ。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ビートルズがライブをやめて、レコードだけでしか楽曲を発表しなくなったのは、コンサート会場でのフアンの行動が原因だそうですよ。
矢沢永吉さんはライブでこだわっているので、いまでも続けているけど、フアンの暴走を食い止めるために大勢のスタッフを配置しているそうです。
暴走族などを抑えるのに必死だそうです。
ねこのひげ
2015/07/12 06:35
ねこのひげさん、こんにちは。

あれだけの大音量でも、ファンの嬌声で自分たちの演奏も確認できずに苦労しただけでなく、「演奏を聴いていないのではないか」とがっかりしたと聞いた記憶があります。今のファンは演奏は聴きますね^^;
オカピー
2015/07/12 17:40

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