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zoom RSS 映画評「フィルス」

<<   作成日時 : 2015/05/07 09:31   >>

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☆☆☆(6点/10点満点中)
2013年イギリス映画 監督ジョン・S・ベアード
ネタバレあり

スコットランドの悪徳刑事を主人公にしたドラマで、「トレインスポッティング」を思い出しながら観ていたら何と原作者が同じであった(アーヴィン・ウェルシュ)。

セックス・マニアにして人種差別者(というよりあらゆるマイノリティーに対する差別者)で出世の為にあまたいるライバルに罠を仕掛ける悪徳刑事ジェームズ・マカヴォイは、日本人留学生殺人事件で手柄を上げて出世しようとするものの、彼の思ったように事態は進展しない。

というのが表向きのアウトラインだが、実際には、小出しにされ、徐々にその分量が増えていく幻想が示すように、主人公が如何にしてこのようなクズになったか明らかにしていく精神分析映画であり、その現状と心の闇が最終的に明らかになり、向うべき結末へと向かう。

クズになった背景は、優秀すぎる弟を妬んで殺してしまった少年時代の経験がもたらす自己嫌悪であり、それを増幅させるのは(恐らく第一の要因を理由に)妻が子供を連れて出ていったことである。彼の悪癖は尽くこれらの経験に苦しむ自己への対抗手段として生まれたものとして理解できる。また、彼が助けようとして死んでしまった男性の未亡人に対する時にのみその対抗手段へ向かう心理的システムが解除されるように見えるのも、自分と妻との理想的な関係を心理的に代替させるものだからだろうかなどと考えさせるものがあり、なかなか興味深い。

反面、上品な(半分は冗談)僕の嫌いな下ネタのオンパレードにはうんざりする為★一つ分マイナスで、精神分析部分の面白さと相殺し、最終的に★一つ分標準にプラスとすることに致します。

因みに、下ネタも時には悪くないのだが、最近の映画は余りに身も蓋もない感じなのがヨロシクない。もう欧米では当たり前のようになっているが、戦後急激に上品になった(昔の書物を読むと相当野趣溢れる人々であったと理解される)日本人にはきついところが多いと思う。

警官全員が急所をゼロックスに撮るエピソードがあり、それが実際に観客に披露される。昔のポルノの方が品が良いわさ。

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フィルス ★★
『トレインスポッティング』の原作者でもある作家、アーヴィン・ウェルシュの小説を実写化したクライムコメディー。頭脳明晰(めいせき)ながらも、酒や麻薬に溺れ、さまざまな不正行為を働く刑事が、留学生殺人の捜査に乗り出したことから思わぬ事態に遭遇する。『つぐな... ...続きを見る
パピとママ映画のblog
2015/05/07 10:43

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ああいったシーンはなくてもいいんじゃあない?と多々思いますですね。
作品を壊している感じがあります。
ねこのひげ
2015/05/10 08:59
ねこのひげさん、こんにちは。

リアリズムだからと言って、何でも出せば良いというものではない、と敬愛する双葉先生が仰っていましたが、最近はそんなのばかり。
天国の師匠も今の映画界を観て、地上に留まる価値なしと思っているでしょう。
オカピー
2015/05/10 21:38

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