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zoom RSS 映画評「ラストミッション」

<<   作成日時 : 2015/05/28 09:37   >>

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☆☆★(5点/10点満点中)
2014年アメリカ=フランス=ロシア合作映画 監督マックG
ネタバレあり

昨日のギヨーム・カネ監督「マイ・ブラザー 哀しみの銃弾」に続いて、英米人が演ずるフランス的家族人情物語である。似たような傾向の作品を続けて観たくない僕としてはスケジュールの組み方を間違えたが、マックGが監督をするケヴィン・コストナー主演映画(ここまでの情報は得ていた)でリュック・ベッソンが原案・共同脚本に絡んでいるとは思わないからねえ。不覚を取った(笑)。

CIAのベテラン・エージェント、コストナーがベオグラードにおける武器取引で主犯の男トーマス・レマルキスを仕留める役目を負うが、末期に近いガンによる変調の為に負傷させるだけに終わってしまう。
 余命を知った彼は引退して、別居している妻コニー・ニールセンとの間に設けた娘ヘイリー・スタインフェルドとの仲を修正しようとパリを訪れる。折しも妻が仕事で家を空けることになった三日間を有効に使おうとするが、ベオグラードでパートナーだった美人アンバー・ハードが現れ、延命する試薬を与えるので仕事を継続してレマルキスやその雇い主である死の商人リヒャルト・サメルを仕留めてくれと持ちかけられたことから、思いがけず私生活と仕事の間で東奔西走することになる。

昔(の映画)のスパイは家庭を持たなかったが、今のスパイは実際に即して家族を持つ。しかし、実際はともかく、映画の中では家族に正体を明かしていないケースが殆どで、その為にジレンマが生じ、サスペンスやお笑い(この類のお笑いはサスペンスの変種である)に利用されることになる。
 本作はスパイと家族との関係をモチーフというよりはテーマにしたところが異色と言えないこともないが、類似する先行作品「96時間」より家族愛をぐっと前面に押し出しお話が停滞する部分が目立つ為、純粋にサスペンスとして観る向きには些か退屈感を否めない。コミカルさを交えて誤魔化そうとしてもそうはいかの何とやら。

アメリカ映画の或る部分を意識しすぎていると思ってきたリュック・ベッソンも紛れもないフランス映画人であったわけで、40〜50年前に数多く紹介されたフレンチ・ノワールを観る時に感じたもたもた感を思い出させる。僕はこのフランス犯罪映画独特の“ムードある鈍重”を楽しんできたファンであるが、監督がアメリカのミュージック・ビデオ出身のマックGなのでムード醸成が希薄につき、鈍重さが退屈しか感じさせないのが困る。ジャン=ピエール・メルヴィルやアンリ・ヴェルヌイユを観るようなわけには行かない。その点監督ギヨーム・カネが母国フランスの伝統的犯罪映画ムードの出し方を知っていてゴキゲンにさせられた「マイ・ブラザー」とは対照的。

「マイ・ドーター 哀しみの中断」というタイトルはどう?

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『ラストミッション』
□作品オフィシャルサイト 「ラストミッション」□監督 マックG □原案・脚本 リュック・ベッソン □共同脚本 アディ・ハサック□キャスト ケヴィン・コスナー、アンバー・ハード、ヘイリー・スタインフェルド、       コニー・ニールセン、トーマス・レマルキ... ...続きを見る
京の昼寝〜♪
2015/05/28 18:41
ラストミッション ★★★★
『ターミネーター4』などのマックGが監督を務め、『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などのケヴィン・コスナーを主演に迎えたアクション。病に倒れた腕利きCIAエージェントが、パリを舞台に極悪非道なテロリストとの最後の戦いに挑む姿を活写する。脚本を担当するのは、数多く... ...続きを見る
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ケヴィン・コスナー主演という点で、てっきりアメリカ映画と思っていた。 彼と言えば、「ダンス・ウィズ・ウルブス」「フィールド・オブ・ドリームズ」「アンタッチャブル」他。 ある意味、アメリカの「顔」なのだ。 ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
フランス映画のあの雰囲気は好きですな〜
全部の映画がハリウッド映画になってはつまらないですわな。
グローバル化とはなんじゃろな?
昔は、猿まねだと馬鹿にしてきたはずなんですがね。
ねこのひげ
2015/06/01 05:49
ねこのひげさん、こんにちは。

>グローバル化
映画のグローバル化には大反対。
そうでなくても劣化が激しいハリウッド映画に右倣えしたところで面白くなるわけもないですし。
欧州映画も、アメリカを市場にしようと、英語で作る例も増えてきましたが、馬鹿じゃないだろうか?
リュック・ベッソンが絡む“フランス映画”でアメリカ人が主役を演ずるのは、やはりアメリカ市場を想定しているからでしょうね。
オカピー
2015/06/01 10:58

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